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建通新聞社(東京)
2019/07/09

【東京】都 生産性向上へ書類の削減・簡素化実施へ

 東京都は働き方改革などを通じた建設業の魅力向上策として、新たに工事関係書類の削減・簡素化に取り組む。生産性向上を目的に建設局が2018年度に試行したモデル工事なども参考にしながら、削減や簡素化が可能な書類とその内容を検討するとともに、各局で実施可能な案件の選定などを進めていく。合わせて長時間労働是正に向けた週休2日モデルなどの工事対象の拡大や、工事や委託業務の平準化のさらなる拡充にも取り組む。7月8日に開いた都技術会議で各局の局長が取り組み内容を確認、合意した。
 会議の冒頭、あいさつした小池百合子知事は「都政の最重要課題である都市力の強化や稼ぐ力などの実現には、災害対策や都市基盤整備などを着実に進める必要があり、そこには高い技術力が不可欠だ」と技術力の重要性を強調。「国際的に打ち勝つことができるインフラ技術の確立や、女性を含めた人材の育成・活用が重要」だとも訴え、技術力のさらなる向上やその発信に取り組むよう要請した。
 建設業の魅力向上策については、働き方改革と魅力発信の大きく二つの柱に沿って取り組む。
 働き方改革では、長時間労働の是正に向け、各局での週休2日工事などの適用対象を拡大。生産性向上のため、工事・委託業務の平準化をさらに推進するとともに、新たに工事関係図書の削減・簡素化を実施する。
 工事関係図書の削減・簡素化では、建設局が試行した「書類削減モデル工事」での効果や課題の検証なども踏まえながら、建設局を含む各局での実施を目指す。18年度のモデルでは、隅田川右岸の修景(テラス)工事を対象に、受注者に提出を求める工事関係書類45種類のうち5種類を削減するとともに、5種類を簡素化した。これを参考に削減・簡素化が可能な書類とその内容を改めて検討し、局ごとに実施可能な案件を10月ごろをめどに選定していく。
 平準化では、施工時期の平準化に向けて新たに設定した21年度の「平準化率」目標に沿って、設計業務を含めた発注の前倒しやゼロ都債、工期12カ月未満の案件への債務負担の設定などを通じて、全庁的な平準化の取り組みを進める。設計等委託業務についても、新たに設定した目標値である「2〜3月に納期を迎える件数の割合」の目標達成に向け、早期発注や債務負担の積極的な活用に取り組む。
 この他、多様な人材の活躍推進に向け、新たに女性活躍推進ワークショップ(グループディスカッション)を9〜12月に開く。
 建設業の魅力発信に関しては、引き続き学生向けイベントや現場見学会などを実施し、インフラのストック効果や見学モデルコースなどを掲載している「インフラポータルサイト」を充実させる。

提供:建通新聞社