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日刊建設タイムズ社
2019/07/23

【千葉】海浜病院を全面建替/新病院建設し機能集約/検討委で答申原案協議/千葉市 市立病院あり方

 第4回千葉市病院事業のあり方検討委員会(尾形裕也委員長)が22日に開かれ、答申原案(たたき台)について協議した。この中で、老朽化が著しい海浜病院については、早急に新病院の建設に着手すべきとした上で、工事期間中の病院運営や費用対効果を考えた場合、大規模改修等ではなく全面建て替えが有効だとした。また、整備の時期については、同市の推計入院患者数がピークを迎える2030年を見据えて新病院に救急医療体制など2つの市立病院の機能を集約するとともに、青葉病院は新病院や周辺医療機関との連携・分担を進める中で、適切な機能・規模を選択すべきとした。同検討委員会は来月19日の第5回が最後となり、原案に対する意見等を踏まえて答申案をまとめる。
 同市の熊谷市長は昨年12月、将来的な医療需要及び医療体制や青葉、海浜両市立病院が抱える課題等を踏まえた今後の病院事業のあり方について同検討委員会へ諮問。また、昨年度と本年度の病院事業のあり方検討支援業務を、いずれもアイテック(東京都中央区日本橋本町1−6−5)に委託しており、8月の検討委員会の答申を踏まえて、本年度末までに市立病院の方向性を明らかにする。
 22日に協議された原案では、将来的な医療需要を踏まえた市立病院の医療機能について、現在提供されている政策的医療(救急医療、小児・周産期医療、精神医療、感染症医療、災害医療等)については市立病院が引き続き担うべきとしたほか、救急医療体制の強化も必要だとした。
 また、医療提供体制については、現在の青葉病院のみで医療機能を提供することは、病床数の不足や周辺に競合する急性期病院が多いなどリスクが大きく困難だとして、海浜病院の老朽化への対応として新病院を早期に整備することが望ましいとした。
 新病院については、海浜病院の現敷地内に全面建て替えの形で整備することは、騒音振動等による診療への影響や駐車場の減少、工事の長期化、経営への影響、今後の拡張性などを考慮すると課題が多いとし、周辺の医療施設の立地状況に加え、早期開院が可能で必要な医療機能を提供できること、医療情勢の変化に柔軟に対応できる拡張性を有していること、大規模災害発生時にも対応可能であること等を比較評価し建設地を選定すべきだとした。
 二つの市立病院のうち青葉病院(中央区青葉町1273−2)は、03年5月に開設。病床数は380床(一般314、精神60、感染6)。施設規模は、敷地約2万6800uにSRC造5階建てなど5棟、延べ3万3284・69u(うち病院部分2万9200・12u)。駐車台数は493台。
 内科診療及び整形外科・泌尿器科領域の専門的治療の提供、救急医療及び災害医療への対応、がん診療の強化、糖尿病診療の提供、精神医療の提供などを特徴としている。
 一方、海浜病院(美浜区磯辺3−31−1)は、84年10月に開設。病床数は293床(一般)。施設規模は、敷地約2万8186uにRC造7階建てなど10棟、延べ2万458・82u(うち病院部分1万8155・77u)。駐車台数は369台。
 周産期医療の充実、小児医療の充実、高齢者医療の充実、移行期医療への取り組み、夜間応急診療の深化などを特徴としている。k_times_comをフォローしましょう
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