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建通新聞社(神奈川)
2019/07/26

【神奈川】県県土整備局と神建協 書類簡素化など意見交換へ

 神奈川県県土整備局と神奈川県建設業協会(神建協、小俣務会長)との懇談会が7月25日に横浜市内で行われた=写真=。協会は、施工時期の平準化や書類の簡素化、「インセンティブ発注」「いのち貢献度指名競争入札」の拡大などを要望。これに対して局側は、書類の簡素化など実務的課題をテーマとする、具体的な意見交換の場を設ける考えを示した。
 意見交換を前にあいさつした県土整備局の上前行男局長は、防災・減災、国土強靱化に関する国の3か年緊急対策に触れ、期間終了後も継続的な予算措置が必要との考えを示した。「この3年間でどのような効果が上がったのかを国に伝えることが重要。一過性のものに終わらぬようにしたい」と述べた。また、県土整備に関わる制度・仕組みについて「今のシステムは完璧ではなく、議論を重ねて良いものにしたい。謙虚な姿勢で臨む」とした。
 小俣会長は、公共工事設計労務単価の引き上げ、過去最大のゼロ県債の設定といった県の施策展開に謝意を表すとともに、6月に成立した新・担い手3法に基づく取り組みに期待を寄せた。その一方で、大手企業と県内企業の利益率に大きな乖離(かいり)が生じていることについて、「地方業者向けの工事量があまり増えていないとともに、ダンピング対策にあまり力を入れていない市町村が多いことも影響している」との見方を示した。その上で、市町村への働き掛けを国と連携して行うよう求めた。
 協会要望のうち書類の簡素化は、「提出する必要性が理解できない書類がまだ多い」との会員企業の意見を踏まえたもの。働き方改革を進める上でも提出書類や提示書類のさらなる簡素が必要だとし、具体的な意見交換の場の設定を求めた。
 局側は、土木工事書類作成マニュアルの適宜見直しなど、これまでの取り組みを説明。国の動きなどを注視し、さらなる見直しも検討するとした。意見交換については要望に応えて開催する考えを示した。書類の簡素化の他、週休2日制など実務的な課題を話し合うための会議体とする方向で、時期などを含めて今後検討する方針だ。
 施工時期の平準化については、「年度当初の発注が少なく、一番良い季節に工事ができない」などとして協会が要望。県の平準化率が9都県(関東地方整備局管内)の中で8番目にとどまるとのデータも示した。
 局側は、国交付金を活用したゼロ県債、12カ月未満工事の債務負担行為などを挙げ、平準化への取り組み状況を説明。今後については、これらの取り組み効果を検証し、第1四半期の発注工事を増やすよう努めるとした。
 また、「インセンティブ発注」と「いのち貢献度指名競争入札」の拡大要望に対しては、総発注件数の3〜4割を目安としているとし、地域企業の受注機会拡大につなげるとの考えを明らかにした。

提供:建通新聞社