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北陸工業新聞社
2019/07/31

【富山】建設功労大臣表彰/働き方改革業界一丸で/増山一雄富山電業協会副会長/「分離発注の継続要望」 

 19年度の建設事業関係功労国土交通大臣表彰に、増山電業代表取締役で富山電業協会副会長の増山一雄氏が選ばれた。
 長らく分離発注の促進を訴え続けてきた。「昔は大手企業が大きな工事を手掛け、地元の企業は元請けとして参画できなかった」と指摘する。仕事に励み、技術を磨きながら業界を挙げた運動を展開し、「地元企業として専門工事の受注が進んだ。技術力や資格、実績など地道な努力の積み重ね」と捉え、国や富山県、市町村などに対して継続実施を要望していく。品質の確保、施工責任とコストの明確化などの観点から、「民間工事についても分離発注のさらなる浸透に向け、提案力を強化していく」との方針を示し、顧客満足度の高いサービス提供を図る。
 若手入職者の減少により人手不足が深刻化しており、「長時間労働の是正、週休2日制など働き方改革への対応が喫緊の課題」と強調。働き方改革関連法が施行され、24年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用される。働き方改革の実現には自助努力としての生産性向上に努めるほか、必要なコスト、工期を前提とした適切な受注が不可欠。「業界内だけでは対応できない。建築業者や発注者の理解が必要となる。適正な工期設定など、少しずつ協力を得ながら、働く環境を改善していく」と説き、関係者一丸となったオール建設業で改革を推進する。
 求人用に自社でユーチューブを開設し、仕事内容や会社の雰囲気を映像で伝えている。「なかなか人が集まらず、入社しても現場監督、優秀な技術者に育てるには年数がかかる。採用、育成は本当に大変」と語り、人づくりに力を注ぐ。協会では新卒者確保へ学校訪問、高校生との懇談会に取り組んでいる。「建設業は何もないところからつくり上げ、それが地図に残る仕事。現場ごとのオーダーメードで、完成した喜び、達成感があり、生きがいを感じてほしい」と魅力ある業界を発信。働き方改革や担い手確保などをさらに推し進め、「夢と生きがいのある電設業界」の実現を目指す。
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 ますやま・かずお 近畿大学卒。81年に入社し、93年から社長。富山市五福。65歳。還暦を過ぎて登山にチャレンジ、次は穂高連峰に挑む。

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