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建通新聞社(神奈川)
2019/08/26

【神奈川】横浜市 水再生C3カ所再構築等へ基本設計

 横浜市環境創造局は中部、南部、西部の水再生センター3カ所を対象とする再構築などの基本設計をスタートさせた。中部と南部の高度処理化、西部での雨天時侵入水対策を念頭に、長期にわたる施設更新の工程や事業費などを練る。これに伴いパシフィックコンサルタンツ(横浜事務所、横浜市西区)に中部、日水コン(横浜事務所、横浜市中区)に南部と西部のそれぞれ業務を委託。2019年度内に成果を得て、20年度以降の詳細設計に備える。
 基本設計の内容を個々に見ると、中部(中区本牧十二天、計画1日最大汚水量9万0900立方b)は38年までを第1期、38年以降を第2期の再構築期間と位置付けた上で▽既存施設の統廃合▽新設A系列の処理方式▽既設B系列の処理能力増強、既設A系列の撤去▽配置計画―を考える。とりわけ新設A系列では高度処理と施設のコンパクト化が可能な「膜分離活性汚泥法」(MBR)の導入を計画している。
 南部(磯子区新磯子、計画1日最大汚水量19万4200立方b)は45年までを第1期、45年以降を第2期の再構築期間と設定。このうち第1期で手を付ける▽沈砂池▽管理本館▽10・20系水処理施設▽10・20系塩素混和池▽汚泥調整槽、汚泥分配槽、汚泥貯留槽、送泥施設、処理水再利用施設▽送風機棟―などに照準を合わせて、既存施設の撤去・統廃合や新10・20系列の処理方式、各種施設の配置などを検討していく。
 建設中の30・40系高度処理施設を供用(22年度予定)させた後、10系最初沈殿池・反応タンクや送風機棟、20系最終沈殿池を撤去。その上で、20系最終沈殿池の跡地に管理本館、10系最初沈殿池・反応タンクの跡地に新10系水処理施設を新設する構想を持っている。
 西部(戸塚区東俣野町、計画1日最大汚水量10万6400立方b)は雨天時侵入水対策として「雨天時活性汚泥法」(3W)などの新技術導入を検討したり、今後60年程度を見据えて再構築を含む更新計画の素案を作ったりする。建設中の第4系列(18〜24年度)で計画1日最大汚水量の処理能力を確保できれば、今ある第1〜3系列の再構築なども視野に入ってくる状況だ。
 水再生センターの再構築を巡っては、18年度に直営で長期構想素案を作成。全11カ所のうち1980年以前に稼働させた8カ所(北部第一、神奈川、中部、南部、金沢、港北、都筑、栄第二)の第1期再構築を50年までに実施する方向性などを整理した。
 基本設計は長期構想素案の内容などをより具体的にする作業。今回の3カ所を皮切りに、他の水再生センターも20年度以降に順次、基本設計を行うことにしている。

提供:建通新聞社