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日刊建設タイムズ社
2019/09/03

【千葉】基本設計は千都建築/県土整備部施設改修課/県文化会館を大規模改修

 県県土整備部施設改修課は、8月7日に開札した「千葉県文化会館大規模改修工事基本設計」の簡易公募型指名競争入札の結果を公表した。7社が参加し、千都建築設計事務所(千葉市美浜区真砂3―1―2)が予定価格8953万2000円(消費税抜き)に対して6930万円(同)で落札。工期は2020年3月17日まで。大規模改修は、同会館が建設後50年以上を経過し老朽化が進んでいることから「県有建物長寿命化計画」に基づき実施するもの。
 事業スケジュールは、本年度の基本設計後、20年度に実施設計、21〜23年度には改修工事を実施し、23年度内にリニューアルオープンする計画。
 改修は▽安全性の推進▽バリアフリーの推進▽ライフサイクルコスト縮減▽長寿命化の推進▽利用者の快適な環境づくり▽環境負荷の低減――を基本に実施する。
 安全性の推進として、ホール・ホワイエ天井の改修、消防・非常用設備の更新などを実施。バリアフリーの推進は、エレベーターの新設(2基)やスロープ整備など。ライフサイクルコスト縮減を目指し、効率的・経済的な維持管理が可能となるよう空調設備の更新、館内照明LED化などを行う。長寿命化の推進では、築80年までの使用を目標に、建物全体の内外装、電気・機械設備などを改修する。
 利用者の快適な環境づくりを目的として、舞台設備の改修、ホール客席の更新、トイレの洋式化、カフェの設置などを予定。環境負荷の低減に向けては、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー機器の導入を図る。
 工事は休館して実施する想定。工期には、聖賢堂の解体を含め約18か月を見込む。工程としては、本館機能の一部を聖賢堂に一時移転するか、仮設建物を設置し、管理事務所など本館機能の一部を移転する。聖賢堂に機能を移転する場合は、聖賢堂を改修する。機能移転後に本工事へ着手し、完了後に本館へ機能を再移転。聖賢堂を解体する。
 県文化会館は1965年10月に着工し、67年4月1日に開館した。当時の設計は大高正人氏(大高建築設計事務所)。施工者は戸田建設。また、95年から96年にかけて大規模改修を実施している。施工は建築を戸田・松栄JV、電気設備を関電工、空調設備を東洋熱工業、衛生設備を大和設備工業が担当した。
 敷地面積は3万3069・85u。施設は本館と聖賢堂で構成。本館はRC造一部SRC造地下3階地上3階建て延べ1万942・77u(建築面積7146・44u)。施設内容は、大ホール(4631u)が固定席1790席(うち車椅子用3席)、楽屋7室。小ホール(662u)は固定席252席、練習室5室。
 聖賢堂はRC造延べ1510・67u(建築面積1014・80u)。施設内容は会議室4室。
 同会館は、県の文化芸術のシンボル的な劇場として長年にわたり県民に親しまれてきた。1967年には日本建築学会賞作品賞を受賞したほか、公共建築100選、優良ホール100選に選ばれるなど、建築的に高い評価を得ている。k_times_comをフォローしましょう
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