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建設経済新聞社
2019/09/09

【京都】亀岡の昭和池で土地改良事業 総事業費は9億2800万円

 京都府は、亀岡市西別院町で府営土地改良事業(昭和池地区)に令和元年度から新規着手する。
 農林水産省は、平成31年度当初予算で補助事業の農村地域防災減災事業(昭和池)に7200万円を計上。府南丹広域振興局は、令和元年度予算に係る農林関係公共事業の実施(箇所決定)において、新規地区として、昭和池のため池改修に着手することを盛り込んだ。
 昭和池(亀岡市西別院町笑路。管理者は亀岡市昭和池土地改良区)は、亀岡市曽我部町の農地269fを灌漑する農業経営上重要な水源。昭和5年築造で約89年が経過した老朽化ため池で、堤体の余裕高不足と堤体上流側の安全率が低いことから、すべり破壊に対し危険な状態。堤体災害の未然防止、農業経営の安定などを目的に早急に改修する。
 主要工事計画によると、@取水設備工(斜樋・取水ゲートφ200×2孔、緊急放流ゲートφ350×1孔、底樋・ヒューム管φ1200×L150m、取水ポンプ1台)A洪水吐工(洪水吐・側水路型(ラビリンス堰)、現場打ち鉄筋コンクリート、幅2・9〜5・8m、放水路(幅4・0m))B堤体工(中心遮水ゾーン型、天端幅6・0m、堤長71・9m)C仮設工(仮設道路W3・0〜4・0m、L2352m)を予定。付帯工は転落防止柵H1・1m、L152m。
 現況は堤高27・50m、堤長75・0m、堤堆積3万6000m3、貯水量40万2800m3、堤体の余裕高2・05m、天端幅3・5m、法面勾配(上流)1対2・2、(下流)1対2・0、法面保護工(上流)張石、(下流)土羽。洪水吐は越流水深1・0m、洪水吐能力64・74m3/s、越流幅34・0m×1ヵ所。
 計画は堤高29・00m、堤長71・9m、堤堆積4万4400m3、貯水量39万7600m3、堤体の余裕高2・50m、天端幅6・0m、法面勾配(上流)1対2・3、(下流)1対2・0、法面保護工(上流)張石、(下流)植生。洪水吐は越流水深0・75m、洪水吐能力47・7m3/s、越流幅22・0m×1ヵ所。
 事業期間は令和元年度から5年度までの5年間。
 令和元年度は測量設計、2年度は仮設工、取水設備工、3年度は仮設工、洪水吐工、4年度は仮設工、取水設備工、堤体工、5年度は仮設工、取水設備工を予定。
 昭和池は、亀岡市の田園環境整備マスタープランにおいて環境配慮区域に定められており、工事実施時には環境に与える影響を緩和するなど、環境の保全に配慮する方針。
 堤体構造物の形状変更を行わないことから、施工中を除き環境への影響はないとし、一時的に水がなくなる部分は事前に生物を下流に退避させ、逃げ遅れた生物は人力で移し替える。
 工事のための仮設ヤードは池の外に設ける。仮締切り工は影響が少ない土のうと土砂で行う。
 総事業費は9億2800万円を見込む。工事費に8億5600万円、測量試験費に7200万円を充てる。