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建通新聞社(東京)
2019/09/17

【東京】都 こどもの城改修、山下で基本計画

 東京都財務局は、旧国立総合児童センター(旧こどもの城)の改修に伴う基本計画の策定業務を山下設計(中央区)に委託した。さまざまな機能を持たせた複合施設「都民の城」として活用することに先立ち、建築や設備の機能回復や更新などの対策の他、既存不適格事項の改善、ユニバーサルデザインへの対応、省エネルギー化、再生可能エネルギーの利用推進などの視点から改修内容を絞り込む。年度内に成果を得て基本設計の委託に備える。
 旧こどもの城(渋谷区神宮前5ノ53ノ1、敷地面積9924平方b)の建物規模は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造地下4階地上13階塔屋1階建て延べ4万1699平方b。地階に駐車場や機械室、体育室、プール、劇場・楽屋などを整備し、地上階に子どもの遊び場や保育室の他、カフェテラスや劇場、円形劇場、ホテル、研修室を配置している。旧厚生省が建設し1985年に開館。経年劣化などに対応した改修に費用がかかるとして2015年度に閉館した。
 一方、都では建物の耐震性は確保されており、適切に改修すれば引き続き活用が可能と判断。土地・建物を国から取得し、施設を改修して利用する。
 まず東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会時にボランティアなどの研修や資機材置き場、駐車場などとして暫定的に利用。大会後に建物を改修し、こどもの城がこれまで担ってきた機能や劇場などを残しつつ、都民の学習やスポーツ、創業、人材育成などの場ともなる「都民の城」として当面の間、利用する考え。
 都民の城に配置する機能は▽教育研究施設▽企業・創業支援施設▽雇用・就業支援施設▽福祉人材育成施設▽スポーツ施設▽多目的ホール―を想定。ユニバーサルデザインへの配慮や省エネルギー化、再生可能エネルギーの利用などにも対応する方針で、それぞれの機能の必要面積、共用施設の規模などを検証した上で、建築や機械設備、電気設備の機能回復と更新に向けた改修項目をまとめて基本計画案を策定。工程計画を立案して概算工事費を算出する。納期は20年3月13日。
 都は現在、土地・建物の取得に向けた国との協議を進めており、20年度に設計作業に着手し、2020大会での暫定利用後に改修工事を実施する。

提供:建通新聞社