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日刊建設工業新聞
2019/08/21

【鳥取】週休2日制は「必要」72%/課題に日給制の収入減対応

 県土整備部は20日までに、2018年度に試行した「週休2日モデル工事」の受注者アンケート結果をまとめた。週休2日制の必要性について、「必要」との回答が72%を占め、「どちらでもない」24%と「必要ない」4%を大きく上回り、長時間労働の是正や職場の環境改善への意識が高まっていることを裏付けた。また、課題には日給作業員の収入が減ることや、検査書類の簡素化などを挙げる声もあった。
 週休2日モデル工事は18年度、同部が発注する災害復旧工事を除く全工事を対象に受注者希望によって試行をスタート。4週6休以上の現場には、労務費や機械経費などが上乗せされる。昨年度のモデル工事は県下69現場で取り組んでおり、うち50件にアンケートの回答が得られた。
 工期設定がどうだったかとの問いには、「十分な工期設定である」36%、「ちょうどよい」56%と合わせて、9割以上の現場で適切だったと答えた。
 週休2日のメリット(複数回答可)は、「ゆっくりと体が休められた」44%、「家族と過ごす時間が増え喜ばれた」31%、「趣味の時間が増えた」20%とそれぞれ回答。「メリットはなかった」4%を大きく引き離した。
 一方、どんなデメリットがあったかとの設問(複数回答可)に、「デメリットはなかった」が45%、「収入が減った」は18%。その他では「日給制の人の収入が減った」「書類がたまった」との回答があった。
 週休2日制によって若手や女性の入職者が増えるか(複数回答可)では、「若手も女性も増える」が21%、「若手は増えると思う」は39%。「女性は増えると思う」は0%で、「増えるとは思わない」は40%に上った。
 また、今回の調査では、週休2日制を未実施の34件でも受注者にアンケート。モデル工事を実施できない理由を尋ねた。主な理由では「会社の体制」9%、「工期の不足」32%、「作業員の日給減少」17%、「人手不足」9%、「現場環境・工種の問題」18%、「その他」15%と回答が割れた。
 アンケート結果を踏まえ、同部では「まだ経費が足りない面や、あらためて日給制の課題も浮き彫りになり、これらの改善を国に要望していきたい」(技術企画課)と話している。

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