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建通新聞社(中部)
2019/10/07

【岐阜】中央卸売市場再整備へ サウンディング実施 岐阜市

 岐阜市は、岐阜市中央卸売市場の取扱数量の減少や老朽化などの課題解決に向けて、現在地での再整備に向け法人などからサウンディングによる市場調査を行う。整備手法や敷地内の余剰地利活用に民間活力を導入することで建設手法、それに伴うイニシャルコストの縮減策や効率的な市場運営を目指している。こうした点を踏まえ、事業の市場性の有無や実現可能性をはじめとしたアイデアや意見を聞き取り、再整備の参考にする。
 スケジュールは、事前説明会・現地見学会の参加申し込みを10月11日まで行い、事前説明会・現地見学会を10月18日に実施する。対話参加申し込みを11月8日まで行い、対話を11月18日に実施する。実施結果の概要を2020年1月中旬に公表する。
 対話の対象は、PPPやPFI事業手法で市場整備事業の実施主体となる意向を持つ法人や法人グループで諸条件を満たしている者など。
 対話の内容は事業への参入意欲を含め再整備(整備や維持管理運営)に関する民間活力導入可能性や余剰地の利活用案(原則約1f、整備方法によっては約2f)、事業推進や施設運営上の課題などとなる。
 中央卸売市場は、茜部新所で1971年に業務を開始し、89年から3カ年で大規模増改築などを行った。近年では、社会情勢の変化により運営は厳しい状態となっているものの青果部・水産物部の取扱量は「地域の台所」として流通の拠点だ。
 こうした背景から市では同市場の在り方について検討委員会で市場が抱える課題と今後求められる機能などについて協議し、2017年7月に市長に答申した。
 この答申によると、人材の確保や他市場との差別化、機能的な施設整備、各業者の将来と市場の存在意義の検討などについて挙げられた。今後、市場が存続していくためにも、物流システムやコールドチェーン(鮮度保持機能)、加工施設などの機能や施設が求められるとした。
 整備としては、卸売場の青果部にコールドチェーンやトラックヤードなどの機能状況による規模拡大、水産物部の規模の適正化や移転が必要とした。さらに仲卸店舗や関連店舗は業者数減少・事業規模縮小が見込まれ、施設統合によるスリム化なども検討すべきとの内容だった。
 これを基に19年3月には、経営展望と再整備案を策定した。再整備案は明らかにしていないが、経営展望によると取り扱い目標を27年度で青果物が22万d、水産物が1万7500dとした。
 サウンディングに当たって市が持っているイメージとしてSWOT(内部要因の強み(S)と弱み(W)、外部要因の今後の機会(O)と脅威(T))として分析結果を出した。強みとしては日本の中心に立地しているため物流面で優位性があり、また周辺に国道や高速道路があるためアクセスが良好なことを評価している。弱みとしては建物や設備の老朽化などが大きな要因に挙げた。今後の機会としては安全・安心や健康・食育への関心増など時期を捉えることとした。今後の脅威としては食料消費量の低下や生鮮食料品・魚食の消費量の減少などを挙げている。

=水産棟移転など2案を示す=

 整備イメージとしては、二つの案を示している。A案は水産棟を川東に移転し建て替える案、B案は仲卸売棟以外を全面的に建て替える案。これはあくまでもイメージでサウンディングで優れたアイデアや意見を取り入れる考え。
 既設概要は、卸売市場が鉄骨(S)一部鉄筋コンクリート(RC)造2階建て延べ1万9975平方b。仲卸売場はRC造3階建て延べ8270平方b。関連店舗はRC造2階建て延べ6809平方b。業者事務所はRC造3階建て延べ4446平方bと同4246平方b。冷蔵庫はRC造2階建て延べ4126平方b。管理庁舎はRC造3階建て6269平方b。この他、バナナ発酵室、倉庫、水産加工室、買荷保管積み込み所など。合計延べ床面積は7万2930平方b。所在地は茜部新所2ノ5で、敷地面積が12万3952平方b。

提供:建通新聞社