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北陸工業新聞社
2019/10/11

【福井】19年度優秀施工者国土交通大臣顕彰/建設マスターに輝く中村栄次氏/左官の魅力、若手にアピール/秘訣は「ほめる」言葉の妙 

 左官・タイル工事一式、中村(福井市明里町)の中村栄次代表が、19年度優秀施工者国土交通大臣顕彰の建設マスターに輝いた。優秀な技能・技術を持ち、後進の指導や育成などに多大な貢献をした建設技能者として称えられた。
 氏は、この栄誉に「日々の積み重ねで、お客様や組合関係者みなさまのお陰」と心から感謝する。左官タイル業ひと筋。勤務時代から築き上げる信頼と実績が認められ、現会社の経営を引き継ぎ11年。代表者として、現場一つの責任者とはまた異なる、全体的な責任の大きさを日々実感するという。立場が変わっても一貫する点は、常に仕事に情熱を傾けて、真摯に向き合う姿勢だ。
 特に若手に対する指導やアドバイスには定評がある。秘訣は「ほめること。少しでも、うまくできた時には、心から」と率直に。自身の見習い時代を振り返り「大工さんから、なにげない一言でしたが『うまいね』と言ってもらったこと」が今も忘れられず、心に刻んでいる。「言葉は本当に大切。私も後輩たちにそんな言葉を贈りたい」と優しい笑顔になった。相手の立場に立ち、親切で丁寧を信条に、次代の担い手たちへ「安心して、この世界へ飛び込んでほしい」と熱くエールを送る。
 ただ建設業は人手不足が深刻。その克服へ、左官業も本来的な魅力のアピールが急務だ。「建築は一品生産。現場は日々変化し、なかでも左官は見える仕事。お客様や元請などから奇麗な仕事と、ほめてもらえる機会もあり、励みや誇りに十分なりえる」と強調。現場ごと自分の色(個性)を出せる点を遣り甲斐に「クレームのない、丁寧な仕事を」と抱負を示す。
 協会活動にも積極的。つねに全体発展を心がけ、厳しい環境下「会員同士、一致団結すれば光明はある」と確信する。頼まれごとは、基本「二つ返事」で、全力投球。周囲の信頼が厚い理由で「全員のエネルギーを結集した取り組みが益々欠かせない」と指摘し、全業種に通じる金言でもある。

なかむら・えいじ 55歳
福井市明里町6番5号在住 福井県左官工業組合の理事(技術研修委員会)を務めるなど、業界の発展に尽力する。

hokuriku