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日刊建設工業新聞
2019/11/11

【鳥取】台風19号教訓に検討会発足/粘り強い堤防整備など/年内に各対策の方向性

 全国各地に多大な被害をもたらした台風19号の教訓を活かそうと7日、県は「水防対策検討会」「防災避難対策検討会」(両座長・松見吉晴鳥大学長顧問)の初会合を開き、ハード対策や確実な住民避難対策を年内に方向性を示し、年度末までにまとめるスケジュールを確認した。
 台風19号では従来の計画規模を超えた降雨が広範囲にわたって発生しており、水防対策検討会は、国が河川整備計画を見直す動きをにらみながら県独自の取り組みを検討する。
 ハード整備については、短期的に効果が見込める対策として▽堤防強化対策▽河道掘削・樹木伐採▽河川情報基盤施設の増設、停電対策、浸水対策―などを確認。越水により堤防の裏側が侵食され決壊に至った経緯を踏まえ、堤防強化では天端の保護や、堤防裏の法尻を補強する粘り強い構造に見直す。また、河川情報基盤施設が流出したケースも報告されており、河川監視カメラや水位計といった施設の浸水対策や停電対策も実施する。
 これら対策は次回12月の会合で具体的な工法の選定や、対策カ所の抽出などを整理する。中長期的な課題については、国の検証結果や河川整備計画の見直しの状況を注視して、年明け以降に対策方針を検討する。
 一方、防災避難対策検討会は、昨年7月豪雨を教訓とした「安全・避難対策のあり方研究会」が昨年末にまとめた提言内容を具体化。併せて県内320カ所の「防災重点ため池」の避難対策を議論する。
 両検討会を仕切る松見座長は「風水害は予測がつき、事前準備さえあれば被害者をゼロにできる。県民に身近ですぐに役立つ仕組みを提案していければ」と話した。

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