トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2019/11/05

【鹿児島】九州各県の工期設定支援システム/本県含め「未活用」大半

 国土交通省が公開している工期設定支援システムが九州各県でいま一つ浸透していないことが分かった。本県を含む6県が未活用となっており、8月に改良したシステムの内容すら把握できていない状況。改正品確法の発注者責務として明記された「適正な工期設定」を推進していくためにも、市町村まで含めた理解が求められそうだ。
 国交省では2017年11月から、ホームページ内の週休2日応援サイトで同システムを公開(無料でダウンロード可)。19年6月に施行された改正品確法で適正な工期設定が発注者責務として明記されたことを踏まえ、地方公共団体等の業務負担軽減につなげようと8月下旬に内容を改良した。
 改良のポイントは、@工程アシストAI機能の導入(過去の工事工程表からAIを用いて類似工事を検索・抽出し、工程表を作成するアシスト機能を強化)A変更設計対応(当初と変更のバーチャート2段表示機能を追加)B地方公共団体に向けた対応(地方公共団体で使用している積算システムでも利用可能となるよう、必要なデータ仕様を公開)−など。働き方改革の促進を図る観点から、活用を促してきた。
 こうした動きを受け、九州建設業協会では管内各県のシステム活用状況に関するアンケート調査を実施。「活用している」と答えたのは、福岡県の建築都市部(県土整備部は未活用)と沖縄県のみで、本県を含めた残りの6県は「活用していない」と回答した。
 未活用の理由として、地方公共団体からは「従来使用しているシステムとの互換性等から、活用は難しいと思っていた」といった声があり、改良によって活用の可能性が広がったことを把握していなかった様子。
 これに対し、国は「従前は国交省の積算ソフトのみ対応していたが、さまざまな工事費積算ソフトと連携させていく必要があった。都道府県や市町村などの発注機関はぜひ活用してほしい」(大臣官房技術調査課)と呼び掛けている。
 現場の週休2日制が推進される中、業界からは「発注段階の工期設定が厳しい…」などの声が絶えない。特に市町村の発注工事で改善を求める声が多く、システムの活用等も含めた対応が急務だ。

鹿児島建設新聞space鹿児島建設新聞FACEBOOK