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北陸工業新聞社
2019/11/22

【石川】明治の洋風建築を復原/「国立工芸館」内覧会開く/あすから見学ツアー 

 石川県と金沢市が協力して同市出羽町で整備を進めてきた「国立工芸館(正式名称/東京国立近代美術館工芸館)」の本体建築工事が完了した。23日から始まる建物見学ツアーに先立ち、報道関係者を対象とした内覧会が21日に開かれた。
 移転先となる建物はRC造一部S造・W造地下1階、地上2階建て延べ約2700平方メートル。整備にあたり、国の登録有形文化財である旧陸軍「第九師団司令部庁舎」及び「金沢偕行社」を移築・活用し、過去に撤去した部分も含め、明治期の洋風建築の姿に復原された。
 第九師団司令部庁舎部分は約4割の部材等を再利用したほか、移築前は薄桃色だった窓枠や柱を建築当時のこげ茶色、外壁も同じくクリーム色から白色に戻して再現。一方、金沢偕行社部分は約6割の部材等を再利用。移築前、窓枠や柱の色は灰色だったが、建築当時の緑色に戻し、復原した講堂外壁は下見板で仕上げた。
 主な内部配置については、第九師団側の1階に展示室を1つ、ミュージアムショップや図書ライブラリーを配し、2階に展示室を2つと、県出身で工芸界の巨匠・松田権六氏の自宅工房を移築して展示。偕行社側の2階には多目的スペースを設け、講演会や体験イベントに活用する。
 今後、展示室や収蔵庫が適正な環境となるまでの「からし期間」を経て、20年の東京オリンピック前のオープンを予定している。
 なお、23日には同館前でオープニングセレモニーが行われる。

hokuriku