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建設経済新聞社
2019/11/26

【京都】令和2年度当初予算案編成方針 北山エリア整備などに重点

 京都府は25日、令和2年度当初予算案の編成方針を明らかにした。
 重点推進施策として、@「子育て環境日本一」関係(企業の意識改革の推進や周産期医療体制の強化、子育て環境の充実度の見える化など、安心して子育てできる職場づくりと子育てを地域で支える仕組みづくり、そして子育てにやさしい風土づくりを進める)A「府民躍動」関係(人生100年時代を見据え、高齢者が活躍するための相談・支援拠点や、女性の活躍を支援する拠点の充実に加え、障害者の就業支援や、今年度完成する京都スタジアムを活用した府民スポーツの拠点づくりを進める)B「文化創造」関係(文化庁の全面的移転を見据え、一流アーティストの作品や京都・世界のクラフトを一堂に鑑賞・販売できるアートフェアの開催や、外部人材を活用した地域文化継承の新しい仕組みづくり、北山エリアの整備・振興など、新しい文化施策の展開を進める)C「新産業創造・成長」関係(京都経済センターを核に、創業支援から販路開拓までのトータルサポートや、スマート技術の農業現場への展開支援など、イノベーションが起こり続ける最適な事業環境の創造を進め、また、観光客の府全域への分散・周遊に取り組む)D「災害・犯罪等からの安心・安全」関係(危機管理センターの常設化や、AI(人工知能)等を活用した中小河川の洪水予測や犯罪抑止対策の充実に加え、子どもが安心して通行できる交通環境の整備など、防災や防犯、交通安全における最先端の危機管理・安心安全体制の構築を進める)E「地域振興計画」関係(府内各地域において、それぞれが持つ地域特性や資源を最大限に活かした施策展開を進める。また、総合計画に掲げた5つのエリア構想の推進や、次期地域創生戦略を見据え、持続可能な魅力あふれる地域づくりを進める)−の6施策を設定した。
 これ以外に取り組むべき諸課題への対応では、▽頻発する豪雨災害を踏まえ、自然災害に備える防災・減災対策の更なる加速▽高齢社会に対応した地域医療提供体制や地域包括ケアの充実、「ひきこもり」からの自立支援の推進▽消費税率の引上げなどを踏まえた府内中小企業の成長と経済安定の推進▽英語教育の推進や学校施設の整備、府立医科大学・府立医大の整備構想など教育環境の充実▽オリンピックイヤーにふさわしい総合的なスポーツ・文化施策の展開、ワールドマスターズゲームズ2021関西に向けた生涯スポーツの振興▽新名神高速道路の整備を見据えた人流・物流の拠点形成を挙げた。
 令和元年度当初予算では235億円の財源不足が発生し、特例的な起債の発効で収支を均衡させるなど、非常に厳しい財政運営が続いている中、8月に総務省が公表した令和2年度地方財政収支の仮試算では、地方一般財源総額は前年度同水準を確保されているものの、増加が確実に見込まれる社会保障関係経費等をこの中で工面する必要があり、会計年度任用職員制度の施行に伴う地方財政措置の内容が明らかになっていないなど、来年度も厳しい財政運営が予想されると指摘。
 京都府においては、3月に策定した行財政改革プランでも新総合計画を着実に実行していくための強固な財政基盤の確立等を掲げており、引き続き、@新規施策の財源確保と収支不足の改善(スクラップ&ビルドの徹底による施策の新陳代謝を促進するとともに、費用対効果を検証し、事業の再構築等を進める)A多様な主体と連携した施策の推進B府税収入の確保C国庫補助金等の積極的活用及び自主財源の確保D府債残高の適正管理(防災・減災・国土強靭化対策や地域経済活性化のために必要な将来への投資など、投資と負担のバランス等に留意しながら、府債残高の適正な管理に努める。投資的経費の地方負担額に充当する地方債は、緊急自然災害防止対策事業債や公共施設等適正管理推進事業債など、可能な限り後年度に交付税措置のある有利な地方債を活用する)に積極的に取り組む方針。
 組織編成については、新総合計画の推進に加え、災害への対応など、喫緊の課題に対応できる執行体制の整備に向け、中長期的な視点も踏まえ、十分な点検を行い、必要な見直しを図る。