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北陸工業新聞社
2019/12/19

【富山】建築は辻建設に内定/双星会/桜井病院移転新築富山市二俣/設備が北陸電工、ユーテック 

 医療法人社団双星会(富山市上二杉420―2、高野隆理事長)が富山市二俣地内で計画する桜井病院の移転新築工事は、数社からの見積もり内容を検討した結果、建築主体が辻建設、電気設備が北陸電気工事、機械設備がユーテックにそれぞれ内定した。
 今後、工事契約を含めた諸準備を進めるとともに、20日には近隣住民への説明会を実施。来年1月からは辻建設の施工により、造成工事に取り掛かる予定だ。
 同市堀地内の現病院は16年に同法人へ承継されたが、築後約50年が経過。建物と設備関係の老朽化をはじめ、患者の療養環境や建物の耐震性、廊下幅の狭さ、スプリンクラー設置など、改善すべき課題が多く、共用部分に空調設備がないなど、就業環境の不備もあることから、新天地に移転することで、諸課題の解決を図ることにした。
 建設予定地は富山市二俣382他で、敷地面積が8848・03平方メートル。トヤマインターゴルフアカデミーの近隣地。
 新桜井病院は、「医療・ひと・地域をつなぐメディカルタウン」をテーマに、地域の健康と安心とエコのシンボルとなる町をつくり、来院者を優しく迎え入れる門型のファサード、雄大な立山連峰の景観に配慮したシンプルなデザインを採用し建設する。
 施設規模は、S造3階建て延べ3630・71平方メートル(建築面積2127・33平方メートル)。各階の平面計画を見ると、1階はホテル風のデザインを採用したエントランスから院内全体が見渡せる、シンプルで初めてでも分かりやすい計画とした。事務室を中央部分に置き、各部署との連携を強化するとともに、フリーアドレスを採用。多職種のチーム医療を促進するオープンワークスペースとし、ライトコートに面することで明るい空間を演出している。
 患者とスタッフの動線は完全分離。採血・処置室は外来からの動線を考慮し、診察室中央に配置した。講習会やイベントを行う多目的ホール(70人収容)は、災害時の一次避難場所としても利用できるよう、蓄電池電源や医療ガスを整備。
 病室40床が入る2階は、広いオープンワークスペースのスタッフステーションを中心に、見通しが利く死角の少ない計画とした。立山連峰を一望できる病棟リハビリとデイルーム・食堂は、一体的な利用ができるよう配慮。リカバリー室とカンファレンス室は、将来の個室化も想定する。
 管理部門が中心となる3階には、明るく景観の良い職員食堂を配置。スタッフオンリーゾーンとした、気持ち良く働ける環境を確保していく。安心して預けられる、セキュリティに配慮した職員用の保育所も備える。階段とEVに近い位置に医局を配置し、短い動線にも配慮。サーバー室、屋上機械置場は、将来の機器更新を考慮した計画としている。
 駐車場は来院者用と職員用を区分し、約140台分を備える。消費エネルギー量を大幅に削減する、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化事業にも取り組む。
 造成工事に引き続き、建物本体工事へ着手。21年3月の完成、5月の開院を目指す。
 設計は、内藤建築事務所名古屋事務所(名古屋市中区錦1丁目)が担当している。

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