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建設新聞社
2019/12/24

【東北・宮城】国内放射光施設の実績など要件、予定価格112億円/次世代放射光基本建屋を公告

 光科学イノベーションセンター(仙台市青葉区荒巻青葉468番地1 レジリエント社会構築イノベーションセンター507 高田昌樹理事長)は、23日付けで「次世代放射光施設建設工事のうち基本建屋新築工事」を公告した。総合評価落札方式を採用した条件付一般競争入札で、当初検討していたECI方式ではなく施工のみとなる。予定価格は112億円。
 参加資格は、宮城県内に営業所がある経審の建築一式工事の総合評定値1800点以上の単体とするが、落札者に選定された際に自主責任で3社までのJVを結成しても構わない。企業実績は国内で1GeV(ギガ電子ボルト)以上のエネルギーの加速器を有する放射光施設について線形加速器・蓄積リング・ビームラインなど主要機器類を格納する建屋の施工実績があること(JVとしての実績は代表者であること)。専任配置する技術者のうち1人は放射線遮蔽コンクリートの施工経験を求める。
 資格書類の提出は郵送で2020年1月8日まで、質問の受付はメールで同24日まで、入札書と総合評価資料の提出は郵送で2月27日まで受け付ける。同28日に開札し、結果は落札決定の翌日以降に落札者への電話通知およびHPで公表する。落札者には総合評価資料に基づくVE提案を踏まえた再見積書の提出を求め、その上で本年度内に契約を結ぶ。支払い条件は前払い2割まで、中間時(ライナックトンネルと蓄積リングトンネルまで)の部分払い3割まで、残り5割は竣工後。
 総合評価の配点は、価格以外の評価60点、価格評価40点の計100点。価格以外の評価は、技術提案が▽事業意図および設計意図の理解、工事の課題に関する技術的所見▽施工体制の提案、施工計画・工法▽工事安全および環境配慮▽VE提案―の4点。地域貢献提案が▽地域建設事業者の活用▽地域での建設資材等の調達▽建設業以外の地域貢献―の3点。いずれもA3で1枚程度にまとめるが、VE提案は5件までとして、1件につきA4で1枚程度にまとめる。価格評価は入札率による入札金額の評価とし、VE提案の内容は見積に反映しないこと。総合評価点が最も高い者が複数の場合は、入札価格が低いほうを落札候補者とする。
 次世代放射光施設は、極めて明るい光により物質の構造を詳細に解析する研究施設。量子科学技術研究開発機構が加速器などを整備し、光科学イノベーションセンターが建屋の整備を行う。
 建設場所は仙台市青葉区荒巻地内の東北大学青葉山新キャンパス内で、仙台市地下鉄東西線青葉山駅の南西側に位置する敷地約5・5f。造成工事は橋本店が担当している。
 基本建屋はS造一部RC造地下1階地上2階建て、延べ約2万5000平方b。今回の工事には特別高圧受変電設備、高圧電気設備、熱源設備、外構工事を除く。工期は23年3月31日までの約3年で、受電見込みは21年6月、加速器据付開始は同年10月を想定。基本・実施設計は日建設計が作成している。

エネルギー事業は別途公告
単体か6社までのグループ

 また、同センターは23日付けで次世代放射光施設に係るエネルギーサービス事業の条件付一般競争入札も公告した。同様に総合評価落札方式。
 参加資格は単体か6社までのグループで、2010年度以降に国内でエネルギーサービス事業の実績があること。施工を担う応募者の電気工事と管工事の経審の総合評定値が各1000点以上。事業開始までに仙台市内に営業所を設け、事業開始後に常駐で運転管理することと、緊急対応人員が原則60分以内で現場に到達できること。
 参加表明書は1月8日まで、質問は同22日まで、入札書と総合評価資料は2月14日まで受け付け、開札は同17日に行う。
 事業内容は、基本建屋に設置する特別高圧受変電設備および高圧電気設備、熱源設備、エネルギーサービス設備監視装置の施工および施工に必要な資金負担のほか、事業者が運用する設備の監視・定期点検・運転管理等包括的サービス。事業期間はエネルギーサービスの運用開始日(21年10月予定)の15年後までとして、36年9月の事業契約終了を予定している。

 提供:建設新聞社