トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2019/12/25

【京都】向島二の丸小跡活用で覚書 延約1万700uの寄宿舎等 既存校舎改修、一部新築も

 一般財団法人あしなが育英会(会長・玉井義臣氏、東京都千代田区平河町2丁目7−5)、向島5学区、京都市の三者は24日、伏見区向島の元向島二の丸小学校跡地活用計画の合意に関する覚書を締結した。
 跡地活用計画の基本方針は、@あしなが育英会は、元向島二の丸小学校跡地に、京都の伝統文化を積極的に取り入れながら、アフリカや日本の遺児奨学生向けの教育施設を整備することにより、新たな文化交流が生まれる空間の創出に努めるAあしなが育英会は、施設整備後も元向島二の丸小学校がこれまで果たしてきた地域の活動拠点としての役割や災害時の避難場所としての機能維持に十分配慮するB京都市、あしなが育英会、向島5学区(向島学区、向島南学区、向島二ノ丸学区、二の丸北向島学区、向島藤ノ木学区)の自治会は、元向島二の丸小学校跡地の活用を通じ、学生と市民の交流を創出するとともに、向島地区の歴史・文化の継承及び地域コミュニティの活性化にもつながるように相互に協力する。
 施設内容によると、既存の校舎(北校舎、南校舎、東校舎)及び体育館を改修し活用する。北校舎及び南校舎に連結して新たにライブラリー、展示スペース、食堂等を整備する。展示スペースではアフリカ関連の歴史・文化を紹介するとともに、向島地域の歴史・文化を紹介することで、市民の交流の場としても活用する。
 北校舎及び南校舎は、1階に展示スペースや研修室を設置し、2階以上は寄宿舎として整備する。1階部分は可能な範囲で地域に開放する。
 東校舎は職員宿舎として整備する。
 グラウンド、体育館は、地域の活動や災害時の避難場所としての機能に十分配慮して整備する。
 現在の既存樹木はできる限り保存・活用する。
 向島中央公園側に学生が出入りするメインエントランスを設ける。西側、北側道路面はフェンスをセットバックするなどして周辺環境に配慮する。
 自治会活動に伴う施設使用料は原則無償とし、施設の利用方法や規則等の詳細は、三者協議会で協議の上、決める。
 そのほか、工事期間中は安全に十分配慮する。
 元向島二の丸小学校跡地(伏見区向島二ノ丸町151−56)は、敷地1万4302・51u(公簿面積)で、既存校舎(北・南・東)及び体育館は延7915・22u。
 あしなが育英会が跡地を市から定期借地し、既存校舎や体育館などを改修し、一部新築して寄宿舎等を整備する。
 アフリカ出身学生向け教育研修施設兼寄宿舎「志塾」(約80人)、あしなが育英会奨学生向け教育研修施設兼寄宿舎「心塾」(約200人)、展示スペース、職員棟などで構成する。
 志塾はアフリカ出身学生の教育支援を行う寄宿舎(学生寮)、心塾は日本の大学に通う学生の寄宿舎(学生寮)として整備する。
 寄宿舎は相部屋タイプを中心に、個室タイプも設けるなどし、柔軟に対応できるようする。
 建物規模は延約1万0700u程度を予定。既存校舎利活用部が約7700u、新築部が約3000uで、建築面積は約5300u。 令和2年の早い段階での着工を目指す。その後、令和3年9月の開設に向け工事を進める。
 概算事業費は20〜30億円程度を見込む。
 設計はテレイン一級建築士事務所(東京都新宿区・03−6908−6750)。