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建通新聞社(東京)
2019/12/27

【東京】都 葛西臨海水族園の事業計画素案まとめ

 東京都建設局は「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画」の素案を作成した。有識者による検討会での検討内容を踏まえ、新たな水族園の在るべき姿や施設規模、事業費、事業手法などを取りまとめたもの。施設規模は延べ床面積約2万2500平方bとし、事業費は整備費に約244億〜276億円、維持管理費に年約18億円、大規模修繕費に20年間で約111億円を見込む。事業手法にはPFI―BTO方式と指定管理者制度を併用し、2020〜21年度に整備水準の検討や事業者の公募・選定を行い、22〜26年度で設計・工事・開園準備を進める。都民意見の反映手続きを経て行政計画として確定する。
 新たな施設は「海と接する機会を創出し、海と人とのつながりを通して海への理解を深める水族園」を理念とし、@展示・空間演出A収集・飼育・繁殖B調査・研究CレクリエーションD学習・体験E環境保全への貢献―の六つの機能を持たせる。
 施設規模は、現在の施設(延べ床面積約1万9400平方b)を上回る約2万2500平方bに設定。バリアフリー化するとともにアクセシビリティを確保する。さまざまなニーズに対応できるフレキシブルな空間計画、あらゆる空間で海を感じられる演出とする他、主要設備の換装などメンテナンス性能を確保する。入園料収入については6億円(現行の700円)〜18億円(2000円に値上げ)と試算した。
 事業手法については、都立施設としての公的使命を果たしつつ民間のノウハウを活用できる方法として、建物の設計・施工・管理にPFI―BTO方式(施設の建設後に所有権を都に移管して管理運営する)を導入するとともに、水族園の根幹にかかわる業務には指定管理者制度を取り入れる。施設の完成後、既存施設の機能を移設し、既存施設については機能移設後、施設の状態などを調査した上で在り方を検討する。
 葛西臨海水族園(江戸川区臨海町6)は、開園から30年近く経過して建物や設備の老朽化が進行し、バリアフリーにも十分に対応できていない。既存建物の活用は技術的にもコスト的にも困難なため、新たな施設を建設して機能を移転することにした。

提供:建通新聞社