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建通新聞社(神奈川)
2020/01/16

【神奈川】広域水道企業団20年度予算案 建設改良費2割増

 神奈川県内広域水道企業団が公表した2020年度予算案(概要)によると、予算規模は前年度比0・3%増の688億4698万余円。一般建設改良費を26・3%増の97億2710万余円、修繕費を7・6%増の19億5706万余円とし、施設の老朽化対策や、地震対策に重点的に取り組むことにしている。また、西長沢浄水場受配電設備改良など電力のバックアップ体制を強化するため、総額61億8700万円の債務負担行為を設定する。
 重点的な取り組みのうち、施設老朽化対策には83億4157万円(前年度72億3158万円)を計上。うち63億8957万円を事業計画に基づく施設更新に充てる考えだ(前年度54億2158万円)。
 具体的には、伊勢原浄水場排水処理施設の更新(機械設備、電気制御設備、排水処理棟・消石灰棟建築など)や、西長沢浄水場ろ過池流出堰の復旧・改良といった取り組みを継続する。各浄水場や取水管理事務所の電気・機械設備のオーバーホールなどの計画的修繕には19億5200万円を投じる(前年度18億1000万円)。
 管路保全対策には997万円を計上(前年度1223万円)。新たに、横須賀方面送水施設へマクロセル腐食防止装置を設置する予定。
 地震対策の予算額は21億1643万円(前年度14億7676万円)。西長沢浄水場沈殿池や港北調整池などで耐震補強を実施し、耐震化率向上を目指す。20年度末の耐震化率として浄水施設とポンプ所でそれぞれ100%、送水施設(調整池)で66・5%を掲げている。
 危機管理対策の強化には4546万円(前年度1790万円)を投じる。債務負担行為を設定する電力のバックアップ強化では、西長沢浄水場受配電設備改良、相模原ポンプ場導水ポンプ設備・非常用発電設備更新に着手する。予算額4546万円を見積もった浸水対策は飯泉・社家取水管理事務所を対象とした検討を継続。新規着手する対策工事としては、飯泉ポンプ場管理本館ドアなどの改良他がある。
 この他の取り組みとして盛ったのは、将来の効率的な事業運営に向けた施策。浄水場の更新を見据え、課題抽出や基礎検討などによって今後の更新の方向性を整理する。また、施設管理システムの運用を開始し、施設の劣化状況把握や適切な更新時期算定などでアセットマネジメントの実践につなげる方針だ。

提供:建通新聞社