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建通新聞社(東京)
2020/01/28

【東京】都 豪雨対策アクションプラン策定

 東京都は今後5年間を目標期間とする「豪雨対策アクションプラン」を策定した。新たな調節池整備に向けた検討や下水道整備のさらなる推進など、これまでの取り組みを着実に推進・加速するとともに、時間雨量75_(区部)や65_(多摩部)の河川整備や流域対策を強化するエリアの拡大を検討する。浸水被害が発生しているエリアでは流域対策として、区市とともに重点的に貯留浸透を実施するモデル事業を実施し、効果的な設置方法を検証していく方針も打ち出した。
 新たなアクションプランでは「これまでの取り組みの着実な推進・加速」「新たな取り組みによる強化」「令和元年台風19号を踏まえた対応」の大きく三つの方針に沿って、今後5年間に展開する事業の内容を盛り込んだ。
 これまでの取り組みでは、▽環状七号線地下広域調節池▽和田堀公園調節池▽下高井戸調節池▽城北中央公園調節池(1期)▽野川大沢調節池(拡大)▽境川金森調節池▽境川木曽東調節池木曽東調節池▽谷沢川分水路―の8施設の整備を推進し、2025年度までに容量約110万立方bを新規稼働させる。これ以外の新たな調節池の事業化に向けた検討も進め、20年度に石神井川と境川で2カ所の調節池を事業化するなど、調節池の整備を加速する。
 下水道についても、現在計画中の重点地区で貯留施設の整備に向け検討や事業化を推進する。重点地区に位置付けている大田区大森西地区で時間雨量50_対応の施設整備を20年度に新規事業化する他、渋谷駅東口地区(75_対策)や杉並区荻窪地区(50_拡充対策地区)で、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会前までに取水を開始し、事業効果を発現させる。
 河川と下水道が連携した取り組みとして、河川への雨水放流量を段階的に拡大して浸水被害を防止するとともに、空堀川流域の広域的な雨水整備を関係市と連携して進める。区市が公共施設へ貯留浸透施設を設置する際の補助対象施設規模(貯留量100立方b以上)を20年度に撤廃する。
 新たな取り組みでは、区部で時間雨量75_、多摩部で65_の降雨対策を推進する「対策強化流域」の追加を検討する。併せて区部全域で75_降雨があった場合の下水道施設の能力検証を実施し、浸水の危険性が高い地区を、下水道の新たな75_対策地区に追加し、重点的な施設整備を実施する。
 浸水被害が発生しているエリアでは、区市とともに重点的に貯留浸透を実施する。モデル事業を選定し、貯留型や浸透型など、地形的な条件などを踏まえた効果的な設置方法を検証する。公共施設の改築・更新に伴って雨水流出抑制施設を設置する際には、区市の指導要綱などで定められた対策量以上の貯留浸透施設を設置する。
 台風19号を踏まえた対応では、被害の発生した護岸などの復旧を進めるとともに、河道の蛇行区間や狭隘(きょうあい)箇所の詳細な調査を実施し、局所改良による流下能力向上や水衝部の護岸強化などの対策を検討・実施する。河川監視カメラの増設や、堤外地にある樋門の遠隔操作化なども進める。

提供:建通新聞社