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建通新聞社(東京)
2020/02/04

【東京】都水道局 長期戦略構想素案まとめ

 東京都水道局は「東京水道長期戦略構想2020」の素案をまとめた。人口減少や水道法改正など水道事業を巡る環境が厳しさを増す中で、持続可能な東京水道を実現するため、2060年代までの水道需要や施設整備、業務運営体制、財政収支を推計しながら、今後20年間の事業運営の在り方を示すもの。施設整備については、コンクリート構造物の耐久性分析や予防保全型管理を踏まえ、現在約60年としている更新期間を約90年に延ばし、これに合わせて浄水場の更新と代替浄水施設整備の着手時期や整備規模を見直すことで、年平均約260億円の事業費を約200億円に縮減する。多摩地区の水道については、地域特性に合わせて配水区域を再編し、隣接区域と連絡する管路を整備するなど再構築する。
 施設整備のうち、大規模浄水場の更新に当たっては、予防保全型管理によって施設を長寿命化し、更新を平準化する。これに合わせ、これまで約60年に設定していた更新期間を約90年に変更することで、約90年間に総額2兆3400億円(年平均約260億円)が必要と見積もっていた浄水場の更新費用を、総額約1兆7800億円(同約200億円)に縮減する。
 これを踏まえ、浄水場の更新と代替浄水施設整備の着手時期と施設規模を見直す。更新の着手時期について、東村山浄水場を30年代、金町浄水場を50年代、小作浄水場を60年代以降とするとともに、東村山浄水場の代替浄水施設の一部となる上流部浄水場は20年代に整備着手する。境浄水場は、東村山浄水場の代替浄水施設を上流部浄水場と分割することで、規模を縮小した上で浄水施設整備に20年代に着手する。三郷浄水場については、代替浄水施設の着手時期を40年代に変更する。
 多摩地区水道の再構築では、多摩地区を▽多摩川上流地域(山間部)▽多摩川左岸西部地域(傾斜のある市街地)▽多摩川左岸東部地域(平たんな市街地)▽多摩川右岸地域(起伏のある丘陵地)―の4エリアに分け、それぞれ地域特性に合わせた整備を実施する。
 山間部では、高低差や起伏の激しい地形に合わせ小規模な配水区域に再編し、浄水処理に膜ろ過設備を導入。隣接する排水区域とのバックアップを強化する。傾斜のある市街地では、中規模な配水区域に再編し、浄水処理に膜ろ過設備を取り入れる。拠点となる浄・給水所なども整備する。平たんな市街地では、大規模な配水区域に再編し、拠点となる浄・配水所を整備する。起伏のある丘陵地については、中規模な配水区域に再編し、拠点となる浄・配水所を設ける。それぞれ配水区域内の配水管網を整備し、隣接区域と連絡する管路を整備する。
 管路の更新に当たっては、配水小管の重要施設への供給ルートの耐震継手化と、取替困難管の更新を22年度までに完了させ、次に取替優先地域の耐震継手化を重点的に実施して28年度までに解消する。その後は供給年数を踏まえ管路更新を計画的に実施する。年間事業量として、28年度までは小管延長約350`、本管延長約21`の計約371`、29年度以降は小管延長約280`、本管延長約22`の計約302`を見込んでいる。

提供:建通新聞社