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建設経済新聞社
2020/02/04

【京都】次期戦略的地震防災対策推進プラン案 令和6年度までに向日台団地及び城南団地の工事着手 常設の危機管理センター設置など盛る

 京都府は3日、戦略的地震防災対策推進部会を開き、次期戦略的地震防災対策指針案、次期戦略的地震防災対策推進プラン案などを報告した。
 第三次戦略的地震防災対策指針案は、南海トラフ地震や直下型地震が発生する可能性が高まっていること、新・京都府総合計画、京都BCPの取組などを踏まえ改定。今後30年を見据え、令和2年度〜11年度までの10ヵ年で重点的に取り組むべき施策と事業の推進方向を示すもの。
 減災目標は「府域の概ね全ての住宅について、耐震化を含めた減災化住宅化を進めるとともに、公共施設等の耐震化等に取り組み、南海トラフ地震及び直下型地震の死者を概ね4分の1に軽減する」とした。
 減災目標達成のため重点的取組として、@住宅の耐震化・減災化住宅化促進(住宅の耐震化率95%以上を目指す等)A公共施設等の耐震化の推進(防災拠点となる公共施設の耐震化率100%を目指す等)B学校の耐震化の推進(公立高校、公立幼稚園の耐震化率100%を目指す等)C公共インフラの耐震化等の推進(京都府無電柱化計画に基づき道路の無電柱化を推進、鉄道施設のうち高架橋の耐震化促進、城陽排水機場等河川施設の耐震化推進等)Dライフラインの地震対策の推進(電力施設の地震対策推進、通信施設の地震対策推進、都市ガス施設の耐震化推進、京都府の送水管理等老朽管路の耐震化推進及び全ての市町村で上水道施設(基幹管路・水道施設)の耐震化計画の策定、流域下水道の幹線管渠及び市町村が管理する下水道施設(終末処理場、幹線管渠)の耐震化推進)E市街地における地震対策の推進F地震災害危険箇所における対策の推進(防災重点ため池の要対策箇所(70ヵ所)の整備推進、大規模盛土造成地の造成年代を記載した台帳整備等)G津波対策の推進H原子力災害対策の推進等のほか、災害対応体制の強化、常備消防力の充実強化、早期復興に向けた体制強化、業務継続体制の確立、帰宅困難者対策の充実、消防団の活動力向上、自主防災組織の活性化、文化財保護対策の推進、観光客保護対策の充実などを挙げた。
 戦略的地震防災対策推進プランは、見直しにより、現行プランの336事業から37増(新規34、分割3)、43減(完了・終了23、統合20)し、第三次プランは330事業となる予定。
 次期戦略的地震防災対策推進プラン案の主な新規事業をみると、○公立高校の耐震化を進める(耐震化率100%を目指す)[市町村、教育庁]○新名神高速道路を全線開通する(令和5年度までに全線開通)[建設交通部]○京都舞鶴港の港湾エリアで自立的エネルギー利用を実現する(自立的分散型リソース、エネルギーマネジメントシステムの導入)[府民環境部]○大規模盛土造成地の宅地耐震補強を進める・盛土の造成年代を記載した台帳を整備する(令和6年度までに734件)[建設交通部]○停電状況を早期に把握し、復旧作業を迅速に行う・被害調査班の増強・ドローンやスマートメーター等の活用・他電力会社や協力会社による応援強化による復旧工事の体制強化[関西電力]○停電情報を顧客に提供するなど顧客対応を強化する・プッシュ型の無料アプリ「関西停電情報」やAIを活用した停電情報自動応答システムを運用・復旧進捗状況をホームページで公開[関西電力]○停電に備えて関係機関の連携体制を構築する・関係機関の緊急連絡先(ホットライン)を定期的に更新・優先的に復旧・臨時供給する重要施設リスト等に基づき、移動電源車やポータブル発電機等を派遣する体制を構築・道路啓開を行う道路管理者との協議体制の充実[関西電力]○電力・通信施設の地震防災対策を進める・京都府無電柱化推進計画に則り、府管理道路における無電柱化の実施(5ヵ年で10qの無電柱化に着手)[建設交通部]○通信施設等の地震防災対策を進める・通信施設及び基地局施設の耐震化[ソフトバンク]○停電発生時に行政機関が保有する可搬型自家用発電機を重要施設に貸与する体制を整備する・停電発生時は、重要施設リストに基づき電力優先復旧・臨時供給、関係機関との応援協定に基づく電気自動車等の貸与、可搬型自家用発電機の貸与の順に検討する体制を構築する[危機管理部]○業務継続計画の実効性を確保する・執務室が使用不能となった場合の代替施設の確保、非常用自家発電機の燃料確保[危機管理部]○全市町村で指定避難所の整備状況を把握し、機能強化を実施する・各避難所の整備状況の把握・整備が進んでいない避難所の機能強化(市町村に対する整備方針のアドバイス、避難所整備に係る補助金の支給等)[危機管理部]○総合防災情報システムの改修にあたり、AI・IoTを活用した迅速・的確な被災状況把握に活用する[危機管理部、政策企画部]○一般家庭、中小事業者、避難所等に自立分散型エネルギーリソースを整備する・太陽光発電設備、蓄電池、太陽熱利用システム、燃料電池システム等の普及促進・補助事業や低金利融資制度の実施・太陽光発電設備の自立運転機能の活用周知[府民環境部]○汚泥処理に関する体制の強化を進める・関係機関と連携した広域処理体制の構築[府民環境部、市町村]○中小企業のBCP等の策定を支援する・商工会議所、商工会が市町村と共同で作成する事業継続力強化支援計画を認定等(全ての商工会議所、商工会(市町村)について認定)[商工労働観光部、危機管理部、商工会議所・商工会、市町村]○下水道を有する市町村で下水道BCPを見直す(令和6年度までに全市町村で見直し)[建設交通部、市町村]−など。
 充実・継続の主なものは、○次期建築物耐震改修促進計画の見直し(令和2年度に府計画の中間見直し実施)[建設交通部、市町村]○府管理の緊急輸送道路の改良整備を進める(緊急輸送道路改良率90%を目指す等)[建設交通部]○府管理の緊急輸送道路の道路橋の耐震改修を進める(令和6年度までに19/27橋の完了を目指す)[建設交通部]○京都縦貫自動車道の4車線化(園部IC〜丹波IC間4車線化事業着手)[建設交通部]○低地地域の河川施設の耐震化を進める(城陽排水機場の工事に着手)[建設交通部]○ため池の防災対策を進める(令和5年度までに改修すべき全てのため池(70池)の整備に着手)[農林水産部、市町村]○府営水道施設の耐震化を進める(令和4年度までに宇治系送水管路の耐震化対策の完了(基幹管路耐震適合率54・3%))[府民環境部]○流域下水道施設の耐震化を進める(令和6年度までに地震対策上重要な下水管渠の地震対策実施率65%を目指す)[建設交通部]○工業用水道施設の耐震化を進める(令和6年度までに長田野工業団地内の配水管路の耐震化率10%)[府民環境部]○公共施設等総合管理計画を策定する(令和2年度までに16類型毎に個別施設計画を作成)[総務部、教育庁]○府営住宅の耐震化を進める(令和6年度までに向日台団地及び城南団地の工事着手)[建設交通部]○府災害対策本部を備えた危機管理センターを設置する・災害対策本部の施設を常設する[危機管理部、総務部、政策企画部、施設所管部局、消防組合]−など。