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北陸工業新聞社
2020/02/07

【福井】働き方改革に即し改善へ/近畿整備局と2府5県の技士会で/活発に意見交換/新技術活用や技術提案など 

 国土交通省近畿地方整備局と、土木施工管理技士会近畿地区ブロック連絡協議会の意見交換会は5日開かれ、福井県ら2府5県の技士会から諸課題の解決にむけた提案や要望を行った。大阪市内のKKRホテル大阪で。
 今回の幹事役を務めた三木健義兵庫県技士会長がまず挨拶。井上智夫近畿地方整備局長と、谷口博昭全国土木施工管理技士会連合会長も続き、各立場から、一層の事業改善へ重要性を示した。
 提案内容は、大阪府技士会から、工事中止または着手不可の場合の救済措置。奈良県技士会から、杭基礎工事の分散化と、新技術活用や技術提案、創意工夫の費用。和歌山県技士会から、働き方改革が叫ばれる現場の改善要望と、監理技術者の専任緩和。福井県技士会(関剛摩会長)からも2点(左記参照)。滋賀県技士会から、生産性向上の加速と、働き方改革推進へ環境整備。京都府技士会から、軟弱地盤上の築堤盛土ICT施工と、積算技術〜伐木除根工における積算基準と実情乖離。兵庫県技士会から、河川工事の発注時期と工期設定と、残土処分が大規模に変更追加となる場合の設計変更に関し、それぞれ説明した。
 このほか、連合会の小林正典専務理事から、より良い設計図書の作成など活動報告(会員数10万6286人 19年3月現在)。局も情報提供。最後に大阪府技士会の奥野博明会長が閉会挨拶した。

福井県土木施工管理技士会の提案に対する局側の回答

■出水期における河川工事の拡大・緩和について
局:梅雨や台風など洪水が発生しやすい時期の工事について、従来は河川工事を行わないとしたが、各地域性の実情(稼働日数など)を十分に踏まえ、施工実績に応じ、出水期における施工を順次拡大している。今後も実績等を踏まえ、検討していきたい。発注も皆様の安全を考え(小さな川では直ぐに出水してしまうが)必要な工期が確保され、適切な時期に発注していきたい。仮設工についても新技術や新工法の適用など省力化や経済性を勘案し、積極的に活用していきたい。
■維持工事の評定および書類の簡素化について
局:請負工事成績評定要領の一部改正(全国運用)等を確認してほしい。工事種別が維持修繕である工事等の実施において、総括技術評価官の工事特性で、評価対象とするよう見直ししている(19年12月1日以降に入札公告を行う工事に適用)。改正では、具体的な施工条件等への対応事例に、維持修繕工事等の規模に比して、地元調整等の手間のかかる工事を追加している。

新しい始まりの試みを

 谷口会長は最後に、近畿ブロックらしく、中身の濃い意見交換会になったと高く評価。その上で、辛口ながら「(回答中、局側から)本省に伝えます、の発言が多かった。1つや2つは、近畿地方整備局が自信をもって、これでやっていこう、という力強い提案もほしかった」と注文した。
 また「経済学的には、リスク(予測可能)と不確実性(予測不可能)を区別するが、工学的には分けてはいない。新しい試みをする場合、リスクが伴うもの。そのリスクを計算し、アセスメントできっちり評価して、官民連携のもと、どう役割分担をすればいいのか等々。ぜひ個別に答えを見い出してほしい。新しい始まり、みたいな試みをやっていかないと、今後は立ち行かない。よい夫婦関係のように、問題意識をもち取り組みの強化を」と期待した。閉会挨拶は、局の橋本雅道企画部長が述べた。
 なお今会合において、局側からは、令和元年度の災害対応、建設業を巡る情勢、新担い手3法、建設業の働き方の抜本的な改善取り組み、近畿地方整備局における工事の入札契約、および近畿地方整備局管内直轄工事等の事故発生状況に関する資料が提供されている。

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