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北陸工業新聞社
2020/02/07

【富山】学びの集大成を披露/富工建築工学科卒業課題発表会 

 富山工業高校の19年度建築工学科卒業設計課題研究発表会が5日、同校で開かれた。同科1・2年生と教員、審査員らが見守る中、3年生が高校生活3年間での学習の集大成として製作に取り組み、多くの時間を費やして作り上げた研究成果を披露した。
 この日は本編発表を前にまず、今年度の各種設計コンペ入賞者によるプレゼンテーションが行われ、太田萌乃香さん、谷崎蒼悟さん、丘山和希さん、北川琳香さんが作品のポイントなどを持ち時間2分で紹介した。
 その後、5〜8人で構成する6班が課題研究を発表。作品タイトルは、(1)10分の1軸組模型(2)団地からはじまる地域再生計画(3)大規模模型〜星の杜小学校〜(4)ハスマチファブリック(5)「モクレンジャー」〜インテリアコース2020〜(6)SAKAの町の地区センター―。各班は約7分の間に、苦労した点や工夫点などを説明した。
 審査員による質疑・講評では、「とてもレベルが高く、見応えと聞き応えがあった」、「発想が豊かで、とてもワクワクする提案が多かった。実用化されるものが出てくると嬉しい」、「人間は物語があると物を買う。その視点があったことが良かった」などの感想が寄せられた。
 各班による課題研究発表では、審査員と同科1・2年生による採点・投票があり、集計の間には校内製図コンクールの表彰式が行われ、1〜3年生の各学年で最優秀賞1点、優秀賞1点に賞状を授与。続いて、課題研究発表会の審査結果が公表され、優秀賞と最優秀賞の班に、建築工学科の藤井和弥科長から表彰状が手渡された。
 全体講評では、同校OBでピュアハウジング代表取締役の稲垣英優氏がコンペ作品について、「大人は規則、ルールなどいろんなものにがんじがらめ。それらを払拭する気持ちの良い作品ばかりだった」と述べるとともに、課題研究発表に対しては、「模型で造れるものは、現実でも絶対に造れることを覚えておいてほしい。建築はプロセスデザインが大事だが、どの作品もそれがしっかり見え、センスも良く感心した。センスもスキルの一部として、人を採用する時代になってきた。3年間で経験したことを基本に頑張ってほしい」とエールを送った。
 最後に藤井科長が、「一人ひとりがきちんと発表し、クオリティーも高く、良い会になったことが凄くうれしい。年々レベルが上がっている。1・2年生も頑張ってもらい、良い発表会にしていきたい。富山工業に赴任して15年になるが、いろんな団体と交流ができ、これだけ注目されるようになったことを感慨深く感じる。今後も建築を楽しく学んでいきましょう」と述べ閉会した。

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