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日刊建設工業新聞
2020/02/21

【鳥取】広島で構造見学会を開催/厚さ5種のCLTで新築/全国から300人が参加

 日本CLT協会、鳥取県、ミヨシ産業、福山弘構造デザイン、蜂谷工業、住友林業の協力で鳥取CLT(谷野利宏代表取締役)が主催した「ミヨシ産業広島営業所」の構造見学会が15日、広島県広島市安佐南区の建設予定地(敷地面積2527平方b)で開かれ、全国各地から300人余が参加した。
 構造見学会では、設計を担当した福山弘氏(福山弘構造デザイン)が建物の構造、設計の進め方、屋根や壁などの設計のポイント、配線の組型など30分にわたって説明。
 建築物は、倉庫棟、事務所棟に比較的薄くコンパクトなサイズのCLT生産を得意とする鳥取CLTの製品(国産杉)を活用し、5種類の厚さ(90_、72_、54_、45_、36_)のCLTを特性に合わせて適材適所で用いる方法で提案した。
 倉庫棟は、CLTパネル工法(ルート2)の平屋建て延べ床面積は498・2平方b。棚自体を構造化し、「CLTによる棚板で建つ」倉庫として計画。上部架構は、シンプルな張弦トラスで、小屋を36_のCLTを下面顕わしで用いたストレストスキンパネルで構成している。
 事務所棟は、在来軸組構法仕様規定ルートの平屋建て。延べ床面積157・34平方b54_のCLTによるトラスパネル、張弦とCLT臥梁とで構成する薄い面を強調する小屋組。小屋以外は在来軸組工法による標準的な架構で、一部に72_パネルの小柱を用いている。
 CLTには工期が短くなる点や1立方bで500`と軽い点などのメリットがある。
 施工は蜂谷工業、木躯体工事を住友林業、材料は鳥取CLT・銘建工業、金物・試験をBXカネシンが担当。建築費は約1億8000万円。5月末に完成、6月中に事業開始を予定している。
 谷野社長は、「ミヨシ産業では主に住宅に取り組んできたが、これからは非住宅にも重点的に取り組みたい。非住宅に向けての第一の取り組みとしてCLTを用いた建物を新築したかった」と今後の視野について話した。

日刊建設工業新聞