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北陸工業新聞社
2020/02/28

【富山】富山生コン協組/最大3000円程度価格引き上げ/原材料、運搬費の高騰で 

 富山生コンクリート協同組合(富山市黒崎66番地、酒井正人理事長)は、1立方メートル当たり最大3000円程度の生コン価格引き上げに向け、準備を進めている。
 原材料であるセメントと骨材の原価アップ、運搬費高騰などが理由で今後、地区内の建設関係並びに設計コンサルタントなどへ事前説明を行っていく。具体的な実施日や上げ幅、所要の経過措置といった内容は追って発表する見通しだが、早ければ4月にも公表することになりそうだ。
 生コンの主な原材料はセメントと骨材(砂利・砂)だが、すべての品目価格が引き上げられ、その分だけで1000円の原価アップとなっている。特に富山地区では、陸掘りの縮小に伴う骨材需給のひっ迫を背景に、値上げ圧力がより強まっている状況。
 さらに、生コン工場から打設現場までは、ミキサー車による運搬が必要不可欠だが、大型車の運転手不足に伴う物流経費高騰の波をもろに受ける格好となっている。また、北陸新幹線開通後の大型工事減少のあおりを受け、運搬効率が悪化していることも併せ、1500円程度の費用増嵩が発生している。
 一方、プラント維持費や動力電気代に加え、近年特に厳しさが求められる産業廃棄物処理費などの経費も掛かり、働き方改革とも相まって固定費が増大。併せて、同組合員の出荷量は年々減少し、前回の価格改定時である13(平成25)年7月の1工場当たり約2万2000立方メートルの出荷量が、近年は約1万4000立方メートルまでに落ち込み、単位当たりの経費も増えているのが現状だ。
 同組合では、これら山積する課題を打破するため、前回改定時の組合員数「14社13工場」を今年4月から、「12社10工場」体制へ工場の集約化を図ることにしているが、富山地区には有力なアウト社が数社存在し、市場環境の流動化・不安定化は免れ得ず、さらなる集約化に大きな障害となっている。
 組合では、「富山地区は県都富山市を抱え、これからも都市機能の整備拡充を図りつつ、発展向上が強く求められる地域であり、社会資本整備の充実に向けた基礎資材である「生コンクリート」は必要不可欠。現在の地域整備、そして将来の発展開発のため、生コンが円滑に供給される体制を構築する上でも皆様のご理解・ご協力をお願いしたい」としている。
 なお、富山協組の組合員は次の12社。▽あづまコンクリート工業▽酒井建設▽神通コンクリート工業▽立山生コンクリート▽デンカコンクリート▽デンカ生コン富山▽富山生コン工業▽富山菱光コンクリート工業▽萩中組▽北陸宇部コンクリート工業▽八尾コンクリート工業▽八尾生コン―。

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