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建設新聞社(長崎)
2020/03/05

【長崎】16カ国の技術者対象にJICA研修

長崎市の橋梁で点検実習
長崎大学とIDCJが橋梁維持管理研修実施

橋梁点検実習の様子 16カ国の政府機関技術者ら20人が2月28日、長崎市内の道路橋梁で点検実習を行った。(独法)国際協力機構(JICA)が2月17日から実施している『橋梁維持管理研修』の一環で、一行は21日から長崎入りし、長崎大学で講義や実習に取り組んできた。
 点検したのは、長崎市黒崎地区の国道202号に架かる湯の花橋(鋼橋)と市道の青年橋(コンクリート橋)。構造物の調査・診断から補修・補強に関係する企業で構成する(一社)リペア会の松永昭吾副会長が講師となり、橋梁の立地状況や構造、架設時期などを説明した上で、老朽化・劣化状況、補修状況などを説明。参加者は、桁の錆や橋台のひび割れなどを見つける度に、原因や対処方法を松永氏だけでなく、同行した長崎大学工学部の西川貴文准教授に熱心に質問していた。
 本紙の取材に応じたコンゴ民主共和国からの参加者は、自国の橋は新しいため、すぐに対策のニーズはないと前置きした上で「劣化した橋を実際に見ることで、適切な維持管理・補修の重要性が理解できた。自国での橋梁維持管理アクションプラン策定の参考にしたい」と、話してくれた。
 この取り組みは、政府開発援助(ODA)で整備された橋梁を有する国の技術者を対象に2016年度から毎年実施しているもので、実際の業務は、長崎大学と轄総ロ開発センター(IDCJ)が受託。長崎大学大学院工学研究科が中心となり、橋の維持管理の全体像を捉えた上で、構造的な性質・壊れ方、点検・診断・補修といった技術面だけでなく、組織形成や入札契約などの管理・計画領域も講義。阪神高速道路鰍竏城県つくば市の土木研究所など長崎以外でも研修する。研修後も、モニタリングとフィードバックを進めることで、参加国でのアクションプランの作成や橋梁の適切な維持管理が進むことを目的としている。
 今回の参加国は、コンゴ民主共和国のほか、ブータン、エジプト、ガーナ、ギニア、ラオス、ミャンマー、ニカラグア、フィリピン、南スーダン、スリランカ、タンザニア、ウガンダ、ウクライナ、ザンビア、バングラデシュ。ksrogo