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建通新聞社(神奈川)
2020/03/26

【神奈川】川崎市 工場の緑地整備で新制度

 川崎市は、これまで緩衝帯としての機能などに主眼が置かれてきた、工場の緑地整備について新たな制度を制定した。一定の要件を満たした場合に工場の敷地外に緑地などを整備できる基準を新設。併せて、工場が集積する臨海部を対象として、複数の工場の敷地外緑地を集約化し、市民が利用できる憩い空間(共通緑地)の創出を目指す「共通緑地ガイドライン」を策定した。これにより工場敷地の有効活用と、効果的な緑地整備の双方が実現できるようになる。それぞれ4月1日に施行する。
 工場立地法では、一定規模以上の「特定工場」について、生産施設の新増設の際に、原則として工場敷地内に緑地の確保を求めている。しかし、川崎臨海部の「特定工場」は、その大半が既成市街地から離れた工業専用地域に立地しており、工場敷地内に整備された緑地の恩恵を市民が直接享受する機会は限定されている。新たに「敷地外緑地基準」を設けたことで、今後は工場敷地外での緑地確保が認められ、こうした敷地外緑地を集約化し、市民に開かれたオープンスペースとして整備することが可能になる。
 川崎市の「特定工場」の約8割が集中している川崎臨海部では、各工場の立地特性が類似していて、定期的な情報交換や業務連携を図っている工場も多いことから、共通緑地整備に向けて具体的な協議を行う環境が整っている。市は今回、川崎臨海部を対象に共通緑地のガイドラインを設け、各特定工場と市の協働により緑地の整備促進を図る。新制度により各工場は、敷地を有効活用できるため、最適な設備更新計画を立案できるようになる。
 敷地外緑地基準の対象工場は、市内に立地している「特定工場」の生産施設の面積を増加させるもので、かつ敷地内に未利用部分がないもの。また、ガイドラインでは、共通緑地の要件を@原則として対象工場などが連携・協力してそれぞれ必要とする敷地外緑地を確保した際に合わせて2500平方b以上の緑地となる規模の敷地で設置することA憩い空間の創出や地域課題の解決に向けた創意工夫がされていること―としている。市はこの他に、産業道路から東側(海側)で事業所(店舗・倉庫・オフィス・研究所など)や公共・公益施設で確保すべき緑化面積など定めた「臨海部における緑化指導基準」を改定。4月1日に施行する。

提供:建通新聞社