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建通新聞社(東京)
2020/05/08

【東京】感染症対策で特別体制へ 都

東京都は、新型コロナウイルス感染症対策に注力するため、築地市場跡地の再開発事業や、「都民の城(仮称)」改修事業などの休止を決めた。感染症の再拡大リスクが押さえられるまでの当面の間、都政運営は特別体制とし、既存事業の執行体制を縮小し、都の人的資源や財源を感染症対策に最大限振り分ける。
 特別体制では、基本方針に▽都民の命を守る▽都民の生活や東京の経済活動を支える▽社会の変革を促し東京の未来につなげる―の三つの柱を挙げた。これに基づいて、優先度を判断した上で各事業の休止、縮小、延期を精査する。
 「都民の生命・財産への直接の関係性が低く、直ちに取り組む優先度が低いと考えられる事業」のうち、未着手、未発注、一時停止が可能な事業は原則として延期または中止にする。
 休止が決まった築地市場跡地の再開発は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後に整備着手する初弾エリアについて、再開発事業者の公募・選定方法を含めた事業実施方針を2019年度内にまとめる計画だった。東京五輪の1年延長が決定したことから、実施方針の策定スケジュールを見直していた。
 都民の城は、旧青山円形劇場などがあった「旧こどもの城」を改修する事業。今年2月に改修基本計画の策定が完了し、5月に基本設計の希望制指名競争入札を公告する予定だった。
 この他、区画整理や市街地再開発をはじめとする都市開発に関する事業や、都立大学の改修、街路整備、都営住宅の建て替えなど施設整備・計画修繕事業についても休止する方針。感染症の状況や各事業の趣旨などを踏まえ、今後、個別に判断する。
 一方、都庁舎・都立施設を維持するための応急修繕は、都の行政機能を確保するために必要なため、最小限の体制に絞った上で継続する。宅地建物取引業免許など各種免許の交付、建設業許可など各種営業許可、特定建築物の定期調査など法令点検、環境影響評価など各種法廷業務なども継続する。 
 この他、▽道路や橋梁、都営住宅など都市インフラを維持するための応急修繕▽防災・減災など都民の生命・財産への直接の関連性が高く、直ちに取り組む優先度が高いと考えられる事業▽大気汚染、土壌汚染などの環境規制や廃棄物処理に関する事業―については、執行体制を工夫した上で継続する。
 既存事業の延期によって予算執行が翌年度にずれ込む場合は、財務局と調整した上で予算の繰越制度などを活用して対応することにした。
 特別体制を解除する際は、事業の縮小に伴う都民生活への影響や、事業の再開による感染の再拡大リスクなどを十分に検討した上で、解除が妥当と考えられる事業から段階的に特別体制を解除し、随時、事業の再開などの対応を進める。

提供:建通新聞社