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建通新聞社(東京)
2020/05/15

【東京】国立劇場建て替えへ 6月に整備計画

 国立劇場の再整備に向けて、文部科学省と国土交通省、内閣官房、劇場を運営している日本芸術文化振興会で構成するプロジェクトチームが基本方針をまとめた。再整備の手法について、既存施設の大規模改修工事では目標とする機能強化が不十分になるため、「建て替えが適切」との方向性をあらためて打ち出した。今後、6月中をめどに整備計画を策定する。PFI手法の導入を想定しており、日本芸術文化振興会で事業スキームや維持管理運営計画を並行して検討していく。
 国立劇場(東京都千代田区隼町4ノ1)は、本館と演芸場、伝統芸能情報館、事務棟など17棟で構成。延べ床面積は合計3万5563平方b。敷地面積は3万1244平方bで、建ぺい率50%、容積率500%。
 開館からすでに50年以上が経過し、劇場施設や舞台機構の老朽化が進行している。振興会は16年度、増減築による大規模改修基本計画をいったん策定したが、18年度から計画の再検討を進めていた。
 基本方針では機能強化の方向性として、伝統芸能の継承に向けて、狭あいな楽屋や稽古場の拡充、防音化を提示。さらに、文化観光拠点としての機能を高めるため、レストランやカフェ、体験型展示施設を設置するとした。皇居周辺という立地を踏まえ、周辺と調和した外観イメージとする。
 こうした目標を実現するため、民間からの提案を取り入れるPFI方式を念頭に調整を進める。
 今後、文化庁が劇場関係者による有識者会議を設置し、必要な劇場の機能・規模などをより詳細に検証。財源の検討を経て、6月に整備計画を策定する。
 事業の実施主体は、劇場に関するノウハウを蓄積している日本芸術文化振興会とする。再整備後の開場は、遅くとも29年度を目指す。

提供:建通新聞社