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建通新聞社(神奈川)
2020/05/22

【神奈川】川崎市 浸水被害軽減へ基本計画

 川崎市上下水道局は、「浸水被害軽減対策基本計画策定支援業務委託その5」と「浸水被害軽減対策基本計画策定支援業務委託その6」の一般競争入札を公告した。「その5」は丸子その1、その2排水区を、「その6」は宮内排水区、六ケ村掘排水区、二子排水区、堰排水区を、それぞれ対象として、緊急かつ効率的に浸水被害の最小化を図ることを目的として、効果的な浸水被害軽減対策基本計画を策定するもの。2件とも履行期間は2021年3月31日まで。参加資格は業種「建設コンサルタント」、種目「下水道部門」に登載されていることなど。入札参加申し込みは5月26日まで受け付け、6月11日に入札・開札する。
 近年、全国的に下水道計画で設定した目標降雨を超える豪雨や、都市化の進展に伴う雨水流出量の増大による浸水被害が発生している。さらには、地球温暖化に伴う気候変動による大雨や台風来襲の頻度も多くなっている中で、河川の氾濫や異常な水位上昇、それに起因した内水氾濫など、市街地での都市型水害の危険性はますます高まっており、浸水が発生した際の被害は甚大なものとなっている。このような状況から内水対策に対する社会的要請は高まっており、対策整備においては、限られた財源と時間の中で、より効果的な浸水対策に取り組むことが強く望まれている。今回委託する業務は、「生命の保護」「都市機能の確保」「個人財産の保護」の観点から、緊急かつ効率的に浸水被害の最小化を図ることを目的に、効果的な浸水被害軽減対策基本計画を策定する。
 対象区域は、「その5」が315・9f(合流式下水道区域)、「その6」が約726f(分流式下水道区域)。
 「その5」では、排水樋管にポンプゲートなどの排除機能を設置するなど、ゲート閉鎖時における対策を検討。さらに、過年度の委託成果に基づき、道路状況や地下埋設物を詳細に確認した上で、実現が可能となるよう基本設計を行う。「下水道浸水被害軽減総合事業」または「下水道床上浸水対策事業」として事業を進める予定であるため、国の実施要綱に基づき地区要件の確認や年度計画(短期、中期および長期)、費用効果分析などを盛り込んだ計画書を作成する。
 一方、「その6」の対象地区は多摩川を放流先とする自然排水区であるため、多摩川の水位上昇により内水排除が困難になった場合を考慮して、浸水被害軽減を図る抜本的な対策案について検討・立案する。各排水区において複数立案した上で、最適な対策案を決定するための評価を行い、浸水被害の最小化を図る計画を定める。また、道路状況や地下埋設物を詳細に確認した上で、実現可能となるような計画を策定する。具体的には、ポンプ場建設案の検討や貯留管・広域貯留管の検討を行う。

提供:建通新聞社