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　湖南市は、今年度実施予定のＪＲ三雲駅周辺市有地土地活用に係る事業者募集について、当初、夏頃にプロポーザル方式で事業者を選定する考えであったが、市は条件面や手法の更なる再精査を行うことが必要と判断したことから選定時期を先延ばしした。
　具体的な公募時期等は現在のところ未定であるが、年度内には事業者を選定する考えで調整を進めていく模様。選定するにあたり、地元へのヒヤリングやサウンディング調査の実施などの採用を視野に入れ、より良い公募内容となるよう協議・検討を行う。
　三雲駅周辺市有地土地活用に係る事業者募集は、昨年にプロポーザル方式で事業者を募集したが、対象地の問い合わせ等多数あったにもかかわらず実際事業者として名乗り出る企業がいなかったことから決定に至らなかった。このことを市は問題視し、学識経験者を交えて募集内容を見直し、併せて、委託金額が適正であったかも最新の市場評価値で再調査している。また、対象が南側駅前広場から見て甲賀方面にある市有地約7500平方�bと、南側自転車駐車場付近の市有地約650平方�bの2ヵ所と、比較的大きな土地の募集としていることから、分割し数事業所への提供の可能性も探っていく。なお、対象地の地目は宅地で、用途は近隣商業地域となっている。
　三雲駅周辺では、「三雲駅周辺地区都市再生整備計画」による新たな市街地づくりが進められており、子育て世代を中心に多様な世代が集い、にぎわう魅力ある生活拠点の創出を目標に、市民が憩いにぎわう核として、ユニバーサルデザインに基づく駅舎整備をはじめ、道路・駅前広場・公園などの都市基盤整備が行われている。今後は、新たな商業施設の誘致などにより、住民等の憩いと交流の場となる生活利便施設や地域活性化施設等の整備を進め、「にぎわいの街」を創出していくことが求められており、来訪者や市民が便利で快適な日常生活を支える三雲エリアにふさわしい拠点づくりにつながる土地利用および施設整備を事業者と共に目指していく。また、長期にわたり安定的な管理運営を行うことにより、周辺地区の生活環境の向上を図るとともに、その効果を周辺住民やこれから駅前に居住する住民に還元できる、事業性の高い内容となるよう、連携を密にし、魅力ある地域づくりを行う考えだ。
　同駅のデータを見ると、利用客数は約1930人で、毎年約10人程度の利用者増加傾向にある。しかし、地域で見ると年間20人程度の人口減少傾向にあることから、利用者がマイナスに転じる可能性を秘めている。このため、三雲駅及び周辺の整備を一体的に進め、全ての住民が安心・快適に生活活動ができ、にぎわいのある魅力的なまちづくりを創出するための拠点づくりを行うことを目的に三雲駅再整備を実施。過年度に各種工事を進め、橋上化や南北自由通路の整備を完了。更なる使い勝手の良い施設となるよう、▽旧東海道景観舗装工事▽駅前放置自転車対策業務▽防犯カメラ設置業務―などにも取り掛かっていく。
　市は、交付金を活用しながら同駅周辺整備を行うことにより、駅利用者数を来年度末までに1980人ベースまで伸ばすと同時に、駅利便性の向上による住み良いまちを印象付け、地域の減少傾向に歯止めを利かすことを目標としている。

提供：滋賀産業新聞