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滋賀産業新聞
2020/06/03

【滋賀】甲賀市 信楽学区の小学校再編検討協議

 甲賀市は、過年度から進めてきた信楽地域にある小学校5校を対象とした統合校整備の可能性や再編の方向性を模索する「信楽学区小学校再編検討協議」について、各学区意見をまとめ市へ報告書の提出を終えたことから、市は各学区の内容を精査し、再編か統合どちらかの方針を決定し、信楽学区内の小学校のあるべき姿を示していく。
 検討を行うにあたり、通学路の変更や学校までの移動距離が伸びた場合の児童らへの負担軽減策や地区ルールの変更が生じた際の対応策、老朽化している校舎の整備など、様々な問題点が浮上することから、それらの問題がクリアできる見通しを立てていく。また、信楽地区に限らず市内他地域においても小学校再編の検討が必要となっていることから、市全域の検討状況も加味し、再編・統合の結論を出していく考えだ。
 対象学区は、信楽・雲井・小原・朝宮・多羅尾―の5学区で、それぞれの学区の整備に伴う考え方を見ると、信楽学区は児童数の減少が見込まれていることから地域内統合は避けては通れないと、統合は必要との考えを示し、雲井・小原・多羅尾学区は現状維持し再編しないとの意見が占めたと報告。雲井学区は地域とも密接であり、小規模ながら工夫を凝らし大規模校では実施できない教育が行われていることを理由に、小原学区は地域と学校が1体化している行事も多くあり、地域バランスを大切にするために現状のままで存続すべきとの考えを示した。多羅尾学区は、児童と保護者・高齢者等の幅広い世代がつながり地域全体が家族のように子ども達を見守り・育てていることや特認校制度を活用して通学している学区外の児童がいることから、利用者は少数となっているが、市内の子ども達の教育環境の選択肢の一つとなっており今後も必要と判断した。また、地域にとって小学校は地域の歴史や伝統の源であり、児童を見守り・育てる活動は日々の生活の活力となっているとの声からも存続していくとした。
 朝宮学区は、5校を1校とする統合整備は望まないが、近隣校との再編なら積極的に協議すると意見をまとめた。理由は、少人数の学級によるきめ細やかで、個々の個性を生かした教育が行われていることから、小規模校ならではの良さがあるとし、5校統合は個々の個性を生かす教育が難しく朝宮の子どもたちにとって望ましい環境ではないと5校統合を否定。しかし、将来的な児童数の減少を見据えた時に、1人だけの学級が生じる可能性も秘めていることに触れ、交流のある近隣校(小原小学校・多羅尾小学校)との再編であれば積極的に協議を行っていきたいとした。
 信楽学区小学校再編検討協議は、市全体の児童数が減少傾向にあり、教育環境の地域格差解消に向け再編計画を核に庁内で協議を重ねた結果、少人数の授業よりも、できるだけ多くの人数で学習出来る環境を子ども達に提供することが人格形成や社会適合性といった部分などの将来的にプラスとなる要素が多いとの判断から、統合校としての可能性を探るとともに、地域との協議を本格化させる考えを示したことから、信楽地域においても検討が行われより良い学習環境形成のために進められた。

 小学校の統合対象校は次の通り(@所在地A建設年B敷地面積C規模・構造)

▽信楽小学校=@信楽町江田969番地A昭和46年B約1万8125平方bCRC造3階建、延約4637平方b
▽雲井小学校=@信楽町牧868番地A昭和51年B約1万5983平方bCRC造2階建、延約2900平方b
▽小原小学校=@信楽町柞原899番地A平成18年B約1万4782平方bCRC造2階建、延約3400平方b
▽朝宮小学校=@信楽町下朝宮268番地A昭和51年B約1万5638平方bCRC造3階建、延約1722平方b
▽多羅尾小学校=@信楽町多羅尾2012番地A昭和55年B約2700平方bCRC造2階建、延1800平方b

提供:滋賀産業新聞