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秋田建設工業新聞社
2020/06/19

【秋田】秋田市/市場は現在地での再整備が基本

 秋田市市場管理室は、公設地方卸売市場の再整備について、昨年度に市場内の事業者を対象として行った意向調査の結果や、物流インフラ、市場関係者の事業基盤状況などを勘案し、現在地での再整備を基本に施設整備の課題を検討する。敷地面積や施設規模については、国の算定基準に基づき市場の取扱数量などを概算した結果、現有施設の約65%を目安として検討する。
 現在の卸売市場(外旭川字待合28番地)は開場から45年を経過し老朽化が進んでおり、毎年5,000万円から1億円の改修・修繕工事費がかかっている。開放型で低温物流(コールドチェーン)にも対応しておらず、HACCP(ハサップ、食品を製造する際に安全を確保するための管理手法)に対応した衛生管理も困難となっている。
 同市場の再整備は「秋田市卸売市場経営改革プラン」の行動計画(元年7月改訂)において、市場運営の効率化に向けた「コンパクトで適正な施設整備」として盛り込まれており、6年度までに施設整備に関する基本的な方向性を示す予定となっている。
 市は昨年度、市場内事業者に意向調査を実施した結果、再整備の方法で約70%の事業者が「現地建替」(41%)、「大規模改修」(28%)を希望していることに加え、周辺の物流インフラや市場関係者の事業基盤・生活基盤の状況などを勘案し、現在地での再整備を基本として施設整備に関する課題を検討する。今年5月中旬から今月上旬にかけて、市場における部門ごとのワーキンググループと、市場運営協議会に方針を説明している。
 施設規模については、農林水産省が示す算定基準に基づき、昨年度における同市場の取扱数量から概算し、現有施設の約65%と試算。これを再整備後の敷地・施設規模の目安として検討する。
 国が平成30年度に示した卸売市場に関する基本方針では、施設整備のあり方として、都市計画との整合などを図りつつ、取り扱い品目の特性や需要量などを踏まえ、◇売場施設 ◇駐車施設 ◇冷蔵・冷凍保管施設 ◇輸送・搬送施設 ◇加工処理施設 ◇情報処理施設―など、円滑な取引に必要な規模・機能を確保するとされている。
 また、卸売市場ごとの取引実態に応じ、◇流通の効率化(選果施設の整備、複数の市場間とのネットワーク構築等)◇品質管理・衛生管理の高度化(コールドチェーン、HACCPへの対応等)◇情報通信技術などの技術の利用(情報通信技術の導入による商品管理等)◇国内外の需要への対応(加工・小分け施設の整備等)◇関連施設との有機的な連携―など、創意工夫を生かした事業展開も期待されている。
 市は、このような国の基本方針に加え、同市場で検討が必要なものとして◇設置主体と運営主体 ◇再整備の範囲 ◇施設の配置 ◇開設者と市場内事業者の設備所有区分 ◇再整備の時期 ◇市場使用料の設定―をあげている。


提供:秋田建設工業新聞社