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建通新聞社(東京)
2020/06/24

【東京】都 北部流通業務団地の都市計画変更へ調査

 東京都都市整備局は、民間事業者が運営している「北部流通業務団地」の機能更新に向けた都市計画などの見直しに着手する。現在の都市計画制限のままでは、インターネット通販の普及に伴う物流施設の複合化や、就業者支援スペースの導入などによる施設の大型化という近年のニーズに対応することが難しくなっている。都市計画を見直すことで、民間事業者が適切に物流施設の機能を更新できるよう誘導する。新しい都市計画案をまとめるための調査検討業務委託の希望制指名競争入札手続きを開始した。希望申請を受け付け済みで、7月10日に開札する。履行期間は2021年3月末まで。
 区部流通業務団地は、普通倉庫や冷蔵倉庫、問屋、トラックターミナルなどが整備された物流拠点。都が基盤整備し、施設の整備・運営は業種別または街区別に民間事業者が担っている。都内には▽南部流通業務団地(大田区平和島、敷地面積約64・7f)▽西北部流通業務団地(板橋区高島平、約31・4f)▽北部流通業務団地(足立区入谷、約33・3f)▽東部流通業業務団地(江戸川区臨海町、約49.2f)―の計4カ所にある。
 それぞれの団地について都市計画の見直しを順次進めており、今回は北部流通業務団地に着手する。
 都は19年9月に「区部流通業務団地の施設・機能更新に向けた取組について」をまとめ、都市計画の見直しの方向性を示した。
 流通業務団地を整備した1965〜75年代の都市計画決定では、品物を運搬するトラックターミナルと保管する倉庫、卸売業(問屋)などを別々に設置するよう定められ、一つの施設内に多くの機能を持つことは想定していなかった。
 最近ではインターネット通販などの普及によって、品物の保管から店舗への配送、商品管理、梱包(こんぽう)をはじめとする流通加工などさまざまな業務が可能な複合的な物流施設のニーズが高まっている。また、複合化に伴って、展示場や会議室を併設したり、就業者向けの休憩室や保育所などの付帯スペースが必要となっており、フロアの拡大と施設の大型化が進んでいる。
 これらの社会背景に対応できるよう、建ぺい・容積率などを再検討。また、「トラックターミナル」「普通倉庫」「冷蔵倉庫」「卸売業」など、用途に応じて街区ごとに細分化している施設区分を統合し、「流通業務施設」に変更して複合化を可能にする。周辺のまちづくりと団地ごとの立地特性を踏まえた都市計画に見直す。
 4カ所のうち、初弾の南部流通業務団地の都市計画変更が2月に認可された。一定の条件を満たした場合に建ぺい率を60%から70%に引き上げるなどの見直しがなされた。今回の北部流通業務団地と残る2カ所についても、地元区や地権者らと検討を進めて順次、都市計画変更案をまとめる。

提供:建通新聞社