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日本工業経済新聞社(群馬)
2020/06/30

【群馬】県建設企画課が遠隔臨場を試行

県建設企画課は、Webカメラなどを利用して遠隔で現場の監督・検査業務を行う建設現場のWeb監督(遠隔臨場)の試行を開始する。これから発注する17件と発注済み6件の合わせて23件で実施を予定。対象となるのは段階確認や材料確認、立会など。実施に必要な機器などはリースを基本に、追加費用を設計変更で対応する。実施後もフォローアップを行い、2021年度以降の検討に生かす。
遠隔臨場は、確認に伴う待ち時間の削減や書類の簡素化など受発注者双方の業務効率化や新型コロナウイルス感染症の拡大防止などがねらい。国土交通省も20年度に各地方整備局などで10件程度、全国で100件程度の試行を予定しており、ICT技術の活用が広まっていきそう。
試行は発注者指定型でのみ適用を予定。各現場での実施回数は受発注者で協議しながら施工計画書に記載し、必要な機器の準備などを行い実施する。施工中の工事も変更施工計画書を作成し、受発注者での確認を経て設計変更により対応する。
機器については、ヘルメットや体に装着できるカメラだけでなく、スマートフォンなどの利用も可能としている。画像が画素数1920×1080以上、音声が1チャンネル以上などの仕様を原則として定め、現場の特性などで判断する。試行による追加費用は設計変更により対応。撮影やモニターの賃料、機器の設置費、ライセンス代などが対象となる。
実施予定の工事は各出先事務所で1件以上。今後発注する17件の内訳は事務所ごとに◇前橋=1件◇渋川=1件◇伊勢崎=2件◇高崎=1件◇安中=1件◇富岡=2件◇中之条=2件◇沼田=2件◇太田=1件◇館林=1件◇下水道総合=3件―(※対象工事は7面に表)。検討のため規模や発注方法、工種などの限定は行っていない。
段階確認などを映像で確認できる工種で、通信環境が確保できる現場を選定している。今後発注する試行モデル工事は、特記仕様書にモデル工事であることを示す。
各現場での施工後は、効果の検証や課題を抽出するためのアンケート調査を実施。時間などの効率がどの程度改善されたかなどの情報を21年度以降に生かす。