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建通新聞社(中部)
2020/07/02

【愛知】20年の路線価 名古屋市の上昇幅緩やかに

 名古屋国税局が7月1日に公表した2020年(1月1日時点)の名古屋市内の路線価は、昨年と比べると緩やかな上昇幅となった。開発熱が高まる一方で、想定される利回りに対する価格が一定の水準に達したことが要因といえそうだ。東海3県では岐阜県高山市の「下三之町線通り」が10%の増。インバウンドに対する期待が表れた形だ。
 名古屋市内に着目すると、もっとも高い上昇率は西区牛島町「広井町線通り」の14・4%(317万円)で、次点が東区久屋町8丁目「久屋大通り」(322万円)と中村区名駅1丁目「名駅通り」の13%(1248万円)。昨年の公表で20%以上の高い伸び率を記録した中区栄3丁目「大津通り」、熱田区金山町1丁目「新尾頭金山通り」は10%前後となった。
 「名駅通り」は、リニア中央新幹線の開通や名鉄名古屋駅地区再開発計画などに対する期待が表れている。「広井町線通り」は名古屋駅から周辺に開発エリアが拡大していることが主な理由といえそうだ。「久屋大通り」は、中日ビルの建て替えなどの周辺地域での開発への期待によるものと予想される。
 名古屋市を除く愛知県内をみると、上昇率1位が刈谷市桜町1丁目「刈谷駅北口駅前広場通り」の7・5%、次点が豊田市西町1丁目「西町若宮線通り」の6・9%。岐阜県は、高山市上三之町「上三之町下三之町通り」の10%、多治見市本町2丁目「多治見駅前通り」の4・8%と続く。三重県は伊勢市宇治今在家町「館町通線通り」の6・7%がもっとも高く、四日市市安島1丁目「ふれあいモール通り」の3・2%が次点となる。

「コロナ禍 路線価大幅変動も見込む」

 公表結果をみると、高山市や伊勢市などで、観光需要を見込んだ高い変動率が目立つが、この公表内容には新型コロナウイルスの影響が含まれていない。今後の国内外の観光需要が見通せない状況の中で、国税庁は地価の推移次第では路線価の減額修正を可能にする措置も検討しているという。経済活動の停滞で不動産の売買も鈍化する中、路線価も今後大きく変動することも見込まれそうだ。

提供:建通新聞社