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建通新聞社(東京)
2020/07/08

【東京】飯田橋駅周辺の都市基盤再整備方針示す 検討会

 東京都都市整備局や鉄道事業者などで構成する飯田橋駅周辺基盤整備方針検討会は、「飯田橋駅周辺基盤再整備構想(案)」をまとめた。駅周辺の道路と鉄道駅、コンコースなどの都市基盤を再整備する際の指針となる。同駅周辺で計画されている複数の市街地再開発事業などの機会に併せ、駅を中心とした歩行者動線の拡充や、発災時の一時滞留スペースの確保などに行政と鉄道事業者、開発事業者が連携して取り組む。
 飯田橋駅は、JRと東京メトロ3路線、都営大江戸線が乗り入れ、1日に40万人を超える乗降客が利用する拠点駅。千代田区と新宿区、文京区の区境に位置し、周辺道路では、外堀通り、目白通り、大久保通りの3路線が交差する交通の要衝。
 一方で、鉄道駅や歩道橋、地下の乗り換えコンコースや地上出入り口など、地下から地上への縦方向の歩行者動線が入り組んでいる。一部の出入り口に駅の利用者が集中して混雑したり、昇降設備が不足しているなど、バリアフリー動線にも課題がある。
 駅周辺の建物も更新が進まず老朽化し、敷地が細分化しているため防災上の課題がある。また、商業・業務系の建物が多いにもかかわらず、災害時に滞留できる空間が少ないため、帰宅困難者であふれることが想定される。
 そこで、今回の構想で長期・広域的なまちづくりと連携した都市基盤整備の方向性を示した。
 基盤を再整備する際は、「駅と駅」「駅と街」「街と街」のつながりを強化する。鉄道駅間の連絡通路と地上出入り口の空間を拡充し、バリアフリー化を推進。また、各鉄道駅路線から街へ至る歩行者空間も拡充する。
 都市開発に合わせ、災害が起きた時にビル内の就業者などが街に流入しないよう、帰宅困難者向けの一時滞留施設・スペースを確保。外堀や神田川の緑と連携した緑の整備も誘導する。
 飯田橋駅周辺基盤整備方針検討会は19年11月に設置。東京都とUR都市機構が事務局を務める。構成員は東京都の他、国土交通省と千代田区、新宿区、文京区、JR東日本、東京メトロ。
 都市開発の事業進捗(しんちょく)や交通の状況、技術的な進歩、社会動向などを踏まえ、段階的に基盤整備を進めたい考え。都市基盤整備をする際は計画内容とスケジュール、事業手法、役割分担、費用負担などについて調整や合意形成を進める。

提供:建通新聞社