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建通新聞社(東京)
2020/07/10

【東京】都 府中基地跡地など選定 多摩まちづくり

 東京都都市整備局は、2022年度をめどに「多摩の新たな拠点整備計画」を策定し、多摩地域のイノベーション創出や各地区の特性・強みを生かしたまちづくりを促す。これに向け、まちづくりのモデル事業となる地元自治体を公募した結果、府中市の「府中基地跡地留保地周辺地区(面積約39f)」など、4自治体・地区を選んだ。選定した地区について、地元自治体が21年度末までの2カ年をかけてまちづくりの計画を策定する。その後、各自治体の計画や、自治体と設置する連絡会議での意見交換なども踏まえて、整備計画を都が取りまとめる。
 多摩地域には大学や研究機関、企業の工場・研究所などが多く集積している。道路・交通ネットワークの面でも、幹線道路の整備が進められ、多摩都市モノレールの延伸や、隣接する相模原市にリニア中央新幹線の駅設置も計画されている。
 こうした立地特性や地域資源を生かし、多摩地区内の大規模用地を有効活用した研究拠点の整備や企業誘致、無電柱化の推進、税制優遇措置など、各地域に合ったまちづくりの計画をまとめる。
 モデル事業の実施地区に決まったのは▽府中基地跡地留保地周辺地区▽尾根幹線沿道拠点地区(多摩市、約38f)▽日野市北西部イノベーション拠点地区(約115f)▽八王子市旭町・明神町地区(約12f)―の4地区。
 府中基地跡地留保地周辺地区(府中市朝間町1丁目地内)は、1975年に米国から返還された国有地や、隣接する府中の森公園、府中美術館などを含めたエリア。緑・スポーツ・文化芸術といった「まちのブランドイメージ」を高めるための方策を固める。
 尾根幹線沿道拠点地区では、4車線化が進められている南多摩尾根幹線のうち、多摩市諏訪4丁目他の沿道が対象。4車線化が完了した将来の土地利用転換を見据え、産業・業務機能の誘致や育成を目指す。
 日野市北西部イノベーション拠点地区(日野市新町5丁目の一部他)は、コニカミノルタや日野自動車などの企業が集積し、日野市の産業と雇用を支える拠点。この立地特性を踏まえ、SDGs(持続可能な開発目標)の視点を持ちつつ、民間投資を促す手法や、官民が連携したまちづくりを進める。
 八王子市旭町・明神町地区(八王子市旭町、明神町3丁目地内)は、JRの八王子駅と京王線の八王子駅に挟まれたエリア。多摩地域のイノベーション創出に寄与するヒト・モノ・コトが集積・交流する拠点の創出に取り組む。
 選定された地区では、21年度末までの2カ年をかけてまちづくり計画を策定する。
 都はこれと並行して、都と地元自治体が情報共有や意見交換を行う場となる連絡会議を設置。モデル事業の取り組み内容を検証することで、事業展開に当たっての課題などを洗い出す。

提供:建通新聞社