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建設新聞社
2020/07/10

【東北・福島】福島県復興祈念公園の施設配置計画を公表

 東北地方整備局と福島県は9日、浪江町と双葉町の境に整備する福島県復興祈念公園の施設配置計画を公表した。48・4fの中央部に円筒形の空間で構成される国営追悼・祈念施設「追悼と鎮魂の丘」を配置し、周辺に多目的広場や地域の住居・集落跡、園路、緑地などを整備する。
 昨年5月に公表した基本設計に基づき学識経験者からなる有識者委員会で施設配置の検討を進めてきた。
 基本設計に盛り込まれた「生命をいたむ」「事実を伝える」「縁をつなぐ」「息吹よみがえる」の四つの基本理念を具現化するため、国が整備する国営追悼・祈念施設エリアと県が整備するエリアの空間構成を明確にした。
 中央に配置する国営追悼・祈念施設エリアは敷地約10f。被災地である福島に対する人々の想いが集まる「求心」と、福島の復興が波紋のように同心円状に広がる「発信」をコンセプトに「追悼と鎮魂の丘」を整備する。
 「追悼と鎮魂の丘」は敷地全体を南北に縦断する県道広野小高線の東側に位置し、高さ16・5bの小高い丘をイメージ。中心は円筒形の空間で、内部には被災前から3・11、震災直後、復興の時間軸の流れを来訪者が理解できるような施設を整備する。中心部からはトレイル(歩道)がらせん状に伸び、公園南西側に隣接する東日本大震災・原子力災害伝承館へとつながる。北側にはアプローチとなるエントランス広場や駐車スペースも設ける。
 県整備エリアの約38fは前田川を挟んで南北に分かれる。北側には両竹地区の住居跡を樹木やマウンドで表現する両竹地区集落跡や、地震・津波の脅威を伝える町道損壊箇所、湿地環境を残し希少な生物の環境を保全する「水辺の広場」などを整備する。
 南側には「追悼と鎮魂の丘」と一体となった同心円状の「さくらの丘」、被災直後の状況を残す中野地区集落の住居跡、イベントやスポーツが可能な多目的広場を配置する。
 このほか、河川や防災林など周辺の自然環境を利用し、「追悼と鎮魂の丘」を中心に広がる波紋を意識した植栽計画も盛り込んだ。
 復興祈念公園は2019年度から一部造成工事を進め、本年度から本格的な工事がスタートする。基本・実施設計はプレック研究所、Park―PFI導入検討や工事請負者間調整などCM業務は大日本コンサルタント・三陽用地JVが担当している。
 東北整備局東北国営公園事務所が担当する「追悼と鎮魂の丘」整備は、造成工事は植留緑化土木が21年1月29日まで進める。管理棟の基本設計は第2四半期中に公告、22年度で実施設計に入り、その後建設工事を発注する見込み。

 提供:建設新聞社