トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社
2020/07/15

【東北・宮城】東北整備局が国道4号富谷地区電線共同溝PFI事業の実施方針を公表

 東北地方整備局は13日、国道4号富谷地区電線共同溝PFI事業の実施方針を公表した。東北整備局が電線共同溝にPFIを導入するのは今回が初めて。BTO方式を採用し、宮城県富谷市中心部の道路延長約400bを対象に電線共同溝の設計、整備、維持管理を行う。
 今月21日まで質問・意見を受け付け、8月の特定事業選定を経て、9月に入札を公告。2021年1月までに民間事業者を特定する。
 富谷地区電線共同溝整備の実施箇所は富谷市仏所〜ひより台に至る道路延長約400b、工事延長は約900b。同地区が広域指定避難所(総合運動公園)への避難経路となっているほか、市役所や小学校にも近いことから、無電柱化することで災害時の緊急輸送道路の確保や、安全で快適な歩行空間の確保を図る。ICTの全面的活用を推進するBIM/CIM活用業務でもある。
 事業手法は民間事業者が調査・設計業務、工事・工事監理を行い、整備完了後に施設の所有権を国に移転、その後、民間事業者が維持管理を行うBTO方式を採用。維持管理期間は東北整備局と民間事業者が協定を締結してから2044年3月末までの24年間の予定。
 整備や維持管理に関する対価は、事業契約書に定める額を28年度から43年度まで割賦方式により国が民間事業者に支払う。ただし電線共同溝の入線などで関わる利用者の道路占用料については東北整備局が収受し民間事業者の収入にならない。
 民間事業者の選定に当たっては、石川雅美東北学院大学教授、小出英夫東北工業大学教授、鈴木覚弁護士、田邉信之宮城大学教授、成田由加里東北大学教授らによって構成される有識者委員会を設置。1次審査で競争参加資格の有無を確認し、2次審査で事業計画と入札価格を総合的に評価する。
 参加資格は単体か複数企業によって構成されるグループで、契約締結までにSPC(特定目的会社)を設立することを基本とする。設計業務の参加資格は土木関係建設コンサルタント業務の認定を受け、電線共同溝設計業務の実績があること。
 工事の参加資格は東北整備局の一般土木工事またはアスファルト舗装工事の認定を受け、05年度以降に電線共同溝か情報ボックス、電線類地中化工事の実績があること。
 維持管理企業の参加資格は東北整備局の土木関係建設コンサルタント業務や維持修繕工事の認定を受けていること。
 東北整備局がPFI事業を行うのは08年度の盛岡第2合同庁舎以来。電線共同溝を含め、土木では初めてとなる。全国的に見ると電線共同溝のPFI事業は関東地方整備局などで実績がある。
 国にとっては、電線共同溝をPFI導入により工期短縮や効率的・効果的な事業推進、整備効果の早期実現などが期待され、民間事業者からすると長期的に安定収入が見込めるメリットがある。
 PFIアドバイザリー業務はパシフィックコンサルタンツが担当している。

 提供:建設新聞社