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建設経済新聞社
2020/07/22

【京都】公契約審査委で取組状況報告 週休2日モデル工事は約40件予定

 京都市は21日、公契約審査委員会(委員長・辻田素子龍谷大学経済学部教授)を開き、令和元年度契約審査専門部会の審議結果、公契約基本条例の取組状況の報告を行った。
 令和元年度契約審査専門部会の審議結果報告によると、第1回(令和元年10月30日開催)において、平成30年度に締結した契約のうち、契約金額3000万円以上の物品等の調達契約から、委員が抽出した4件(随意契約の平成30年度児童福祉センター医薬品PL配合顆粒他、随意契約の京都市市営住宅の管理に関する協定、随意契約の高速鉄道昇降機設備保守管理業務委託(鞍馬口駅他)、参加希望型指名競争入札の料金業務(水道メーター点検・平日開閉栓)委託(北ブロック))を審議した。
 第2回(令和2年1月29日開催)において、平成30年度下半期に締結した契約のうち、契約金額2000万円以上の工事請負等の調達契約から、委員が抽出した4件((総合評価)一般競争入札の京都市中央卸売市場第一市場整備工事ただし、水産棟ほか建築その他改修工事、随意契約の京都市交響楽団練習場ほか2件整備工事ただし、ブロック塀改修工事、一般競争入札の高速鉄道東西線信号電源設備更新工事(姉小路指令所)、随意契約の配水管布設替(その3)工事)を審議した。
 第3回(令和2年3月23日開催)において、令和元年度上半期に締結した契約のうち、契約金額2000万円以上の工事請負等の調達契約から、委員が抽出した4件(随意契約の京都市立西院小学校校舎整備工事設計業務委託ただし、建築及び設備基本設計・実施設計業務委託、随意契約の京都市北部クリーンセンター整備工事ただし、燃焼装置他整備工事、一般競争入札の高速鉄道烏丸線レール交換工事、一般競争入札の新山科浄水場2系ちんでん池設備更新(機械)工事)を審議した。
 審議結果として、第1回審議の京都市市営住宅の管理に関する協定について、今回は特に問題があったとは認められないが、「他都市の導入状況も踏まえ、指定管理者制度の導入を引き続き検討するとのことであり、管理代行と管理業務委託を併用している現在の契約方法は将来的に改善の余地がある」と指摘されたと報告。その他の案件は、契約方法について特に問題があったとは認められず、適切な契約方法であったことが確認されたと報告した。
 市公契約基本条例の取組状況について、@市内中小企業の受注等の機会の増大では、「工事は、令和元年度における市内中小企業受注率は、契約件数ベースで約88%(87・78%)、契約金額ベースで約75%(75・04%)を占める」「市内中小企業以外の契約金額ベースの受注率(24・96%)について、その内訳をみると、設備工事が21・26%と最も高くなっている」「平成30年度と比べると、件数ベースで約2ポイント上昇(85・75%→87・78%)、金額ベースで約13ポイント(62・25%→75・04%)上昇している。この金額ベースでの上昇は、中央卸売市場第一市場整備工事や下水汚泥固形燃料化事業建設工事などのWTO対象工事が減少したことに伴い、これらの割合が約27%から0%へ約27ポイント減少したことなどが影響している」とした。
 A公契約に従事する労働者の適正な労働環境の確保では、「労働関係法令遵守状況報告書」制度の運用状況について、同報告書の令和元年度の提出状況を報告。提出事業者数は工事が延べ2236者(実数1402者)、役務委託が160者(実数101者)、指定管理が106者(実数50者)。
 是正対象者数は15者(工事12者、役務委託1者、指定管理2者)。内訳は三六協定未締結・未届13者、就業規則未周知・未届1者、労働条件未通知5者、賃金台帳未作成2者(複数の是正が必要な者がいるため、合計は合致しない)。
 今後の方向性について、「週2日の現場閉所を行うモデル工事を約40件実施する」「令和2年10月から社会保険加入が建設業許可の要件となるため、これに伴う運用の見直しを行う」などとした。週休2日モデル工事については「昨年度は3件だけだった。今年度は大きい工事で試行し、どういったことができるか、何ができるか、試行錯誤しながら週休2日工事を確保できるようにしたい」と方針を述べた。
 B公契約の適正な履行と質の確保では、「令和元年度の落札率は、工事が約90%(90・33%)、物品が約87%(86・82%)となっている」「平成30年度と比べ、工事はほぼ横ばい(マイナス0・29ポイント)、物品は若干上昇(プラス1・03ポイント)となっている」などと報告した。
 C公契約を通じて社会的課題の解決に資する取組では、令和2年4月から予定価格4億円以上の工事請負の受注者、予定価格8000万円以上の物品等調達の受注者を対象に「持続可能な社会を構築する取組の重要性を理解し取組に努める」旨の宣言的な文書の提出を求める取組を開始したことなどを報告。
 委員からは、文書提出の対象となる工事、物品の金額設定の根拠を確認する質問があり、市は「議会承認案件と同じ金額に設定している」と報告した。
 このほか、主な工事格付での加点状況を報告した。
 主な工事格付での加点状況(近年の推移)は次の通り(@平成29年度A平成30年度B令和元年度/延べ加点業者数)。
▽不当要求防止責任者講習=@636者A657者B502者
▽災害応急協定(市との協定)=@591者A596者B609者
▽ISO14001、KES=@271者A275者B267者
▽国家資格を有する女性技術者の雇用=@246者A264者B270者
▽ISO9001=@126者A126者B126者
▽一般事業主行動計画の策定=@62者A82者B78者
▽災害応急協定(府との協定)=@63者A63者B67者
▽障害者法定雇用率達成事業者=@17者A39者B47者
▽消防団協力事業所=@24者A29者B35者
▽官公需適格組合=@6者A6者B5者