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建通新聞社(東京)
2020/08/03

【東京】都 小笠原航空路、構造・工法の検討深化

 東京都は、小笠原諸島への航空路開設に向けて、2020年度に飛行場の構造・工法の検討をさらに深める。19年度に完了した現地ボーリング調査の結果を踏まえ、運航可能な飛行機機材の選定と並行して施設計画を絞り込んでいく。7月31日に小笠原航空路協議会(会長・山手斉総務局長)を開き、今後の検討の方向性を確認した。
 小笠原諸島父島と本土を定期的に結ぶ交通アクセスは、約6日に1便、片道所要時間約24時間の船便「おがさわら丸」に限られている。
 産業振興や住民の生活利便性向上、災害時の避難物資・避難者の輸送などのために交通アクセスの改善が必要。一方で、世界遺産に登録されているため、自然環境への影響を最小限に抑えた航空路案をまとめなければならない。
 航空路の必要性については、小池百合子知事が以前から訴えており、7月31日の定例会見では、「島の方々の命・健康を守るためにも航空路は必要」と改めて強調した。「自然環境の保全と航空路の開設を両立するために検討を進めている。滑走路の延長によって自然への負荷が変わってくるため、航空機の種類なども含めて審議会で議論してもらう」と話した。
 審議会では、父島のうち国立公園や世界遺産区域に該当しない洲崎地区に滑走路を整備する方針で、事業の具体化に向けた調査・検討を進めている。
 19年度は、飛行場の構造計算の基礎となる地盤特性を確認するため、洲崎地区の地盤の強度や土質などを調査した。また、海上部の護岸・桟橋などの検討に必要となる気象・海象の観測や地形データの収集、環境影響評価に向けた現行調査などを実施した。
 20年度は環境調査を引き続き実施するとともに、導入を検討している航空機に対応した飛行場施設の構造・工法などの検討を進める。

提供:建通新聞社