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建設経済新聞社
2020/08/17

【京都】元京都社会福祉会館の売却公募 条件は京都市の文化振興・発信に資する活用等

 京都市は12日、令和2年3月末に閉館した元京都社会福祉会館の活用に係る契約候補事業者選定委員会(委員長・辻田素子龍谷大学経済学部教授)の初会合を開き、募集要項案を審議。審査項目及び審査基準案は非公開で審議した。
 社会福祉法人京都府社会福祉協議会(府社協。京都市中京区)が建物を所有し、京都市が土地を府社協に貸し付ける同会館は、建設から50年が経過し、耐震や老朽化の問題を抱え、会館を管理・運営する京都社会福祉会館運営委員会が再整備を検討した結果、「土地所有者の京都市と建物所有者の府社協が共同して土地及び建物を売却し、府社協が得る借地権割合に相当する売却益を、運営委を母体とした新たな社会福祉法人に譲渡し、当該法人が会館を移転再整備する方法が最も現実的な対応策である」として京都市に協力を依頼。今回、物件の共同売却を行うにあたり、公募型プロポーザル方式(総合評価方式)を採用した。
 売却価格及び土地活用案の内容を総合的に審査し、最も優れた事業者を契約候補事業者として決定する。契約候補事業者の選定は京都市が一括して行う。
 契約候補事業者選定委に示された募集要項案によると、主な売却条件は、ア・京都市の文化振興・発信への貢献(元離宮二条城と隣接することに鑑み、@「第2期京都文化芸術都市創生計画を踏まえた京都市の文化振興・発信に資する活用」及びA「隣接する元離宮二条城の魅力発信や来館者の増加など元離宮二条城と連携した取組」を活用計画の一部に含めること)。なお物件の主たる活用用途を制限するものではない。イ・地域経済への貢献(正規雇用の創出や市内事業者の活用を通じた地域経済の活性化など、地域経済の貢献に資する活用計画とすること)、ウ・地域のまちづくりとの調和・貢献(▽地域コミュニティの活性化、地域防災等への参画、都市計画の向上など地域のまちづくりと調和し、貢献する活用計画とすること▽地域のまちづくりとの調和や貢献を図るための連携体制が、事業者内に構築することが活用計画に含まれること)、エ・活用計画の履行(所有権の移転後は速やかに活用計画を実施し、所有権の移転日から10年間は、対象物件を活用計画に基づいた利用に供する等)。
 選定委員会は、上林研二上京区社会福祉協議会会長、佐藤陽子公認会計士(日本公認会計士協会京滋会)、辻田素子龍谷大学経済学部教授、中谷香京都市芸術文化協会専務理事、西野洋史市民公募委員、原吉則待賢住民福祉連合協議会会長、山本安一出水住民福祉連合協議会会長の7人で構成する。
 市は9月に募集要項を公表し、11月に応募申込を締め切り。12月以降の契約候補事業者選定委で事業者提案を評価し、その後、令和3年2月以降に契約候補事業者を決め、売却益を確定させる予定(契約締結は令和3年3月31日まで)。
 二条城北側の京都社会福祉会館(上京区猪熊通丸太町下る仲之町519)の主な建物は事務所・宿泊所として、RC造陸屋根地下1階地上5階建、延4066・95u(地下1階399・53u、1階1166・49u、2階989・23u、3階723・35u、4階723・35u、5階65・00u/昭和44年8月築)。このほか、物置1(W造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建、2・80u/建築年不詳)、物置2(W造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建、3・44u/建築年不詳)がある。なお土壌汚染、地下埋設物及び地盤に関する調査並びに建物のアスベスト調査は実施していない。
 敷地面積は公簿2975・2u(実測3084・74u)。用途地域等は、堀川通から30m超の敷地西側(当該敷地の大部分を占める)が第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で15m第2種高度地区、堀川通から30m以内の敷地東側が商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)で15m第4種高度地区。
 担当課は京都市保健福祉局健康長寿のまち・京都推進室健康長寿企画課(рO75−222−3419)。
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 なお市は運営委と連携し、京都社会福祉会館と、障害者福祉施設の壬生合同福祉会館(中京区壬生坊城町19−4)の機能の一部との合築施設の新設を検討。建設予定地は壬生合同福祉会館の西側隣接空き地(現在は壬生合同福祉会館の駐車場等として利用)とする考え。合築施設は令和5年4月の開設を予定。建設時期は令和4年度頃を見込む。