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滋賀産業新聞
2020/08/18

【滋賀】守山市 伊勢遺跡の展示施設等整備

 守山市は、12年(平成24年)に国史跡として指定を受けた伊勢町地先の「伊勢遺跡」に係る展示施設・管理棟、拠点整備の実施設計業務を公募型プロポーザルで募集しており、事業者特定後、これを年度末にまとめ順調にいけば、来年度早々に工事の公告を実施する。現段階での発注方式は、制限付き一般競争入札を予定しており、夏頃の着工を目指す。
 計画によると、守山市伊勢町地先にある伊勢遺跡の敷地5211平方b内に、S造平屋建、約577・5平方bの地域住民・市民が交流をはぐくむ施設とするため、多目的に使用できるスペースを配置した遺構展示施設。S造平屋建、約52・9平方bの事務室、倉庫、男女トイレ、多目的トイレなどを設置した管理棟。S造平屋建、約70平方bの史跡全体の構成が視覚的に体感できる展望施設を建設する。またこれに係る工事費は3億3500万円を見込んでいる。
 同市は、先行取得した整備用地の買戻しは19〜21年度の3ヵ年で、それぞれ用地購入費を措置し進めており、21年度で第1次整備計画の全体面積1万1000平方bの買戻しを完了する見通しで、合せて21年度予算に残りの造成工事費も措置し工事発注、造成工事も全体完了まで進めたいとしている。建築工事については、順調にいけば21年度に、着工したい考えだが流動的で、第1次整備計画の完了年度については、22年度中を目指している。
 同遺跡は、81年(昭和56年)に民間の宅地造成工事に先立って実施した試掘調査によって発見された。調査を進める中で、この遺跡は守山市伊勢町・阿村町・栗東市野尻にかけて広がる、弥生時代後期の巨大な集落遺跡であることが分かり、07年(平成19年)までに実施した発掘調査で、東西約700b、南北約400bの楕円形状に形成されていることが明らかになった。集落が営まれた時代は縄文時代晩期(BC6世紀頃)から鎌倉時代(13世紀)で、最も栄えた時代は弥生時代後期(紀元1〜2世紀)。遺跡の西側では、溝を挟んで方形周溝墓が築かれているが、弥生時代集落の有力者の墓域と推定されており、また遺跡の東端では幅約7b、深さ2b以上もある大きな堀のような大溝があり、北側は方形周溝墓、南側は、旧河道であったと推定されている。

提供:滋賀産業新聞