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建設経済新聞社
2020/08/18

【京都】「(仮称)太鼓山ウインドファーム」計画 令和3年7月に着工を予定

 北海道・東北地方を中心に全国18ヵ所の風力発電所の事業開発、運転管理を手がける且s民風力発電(代表取締役鈴木亨氏、札幌市中央区北5条西2丁目5JRタワーオフィスプラザさっぽろ20階)による「(仮称)太鼓山ウインドファーム」計画について、京都府環境影響評価条例に基づく環境影響評価(環境アセス)準備書が14日明らかになった。
 伊根町野村の太鼓山風力発電所について、京都府が令和2年3月に運転を終了。京都府により既設風力発電機の撤去後、新たな風力発電事業の実施予定者の同社が新たに風力発電機を新設するもの。なお京都府公営企業管理事務所発注の太鼓山風力発電所撤去工事(その1)は東光電気工事、同(その2)は福多電気商会が担当。
 「(仮称)太鼓山ウインドファーム」計画によると、伊根町野村及び京丹後市弥栄町野中他において、最大出力7490kwの風力発電所を設置する工事を行う。
 風力発電機は水平軸式プロペラ型で、発電機出力2000kw〜3200kw風車を3〜4基設置する予定(ただし各風車の合計出力が7490kwを超える場合は、連系点で7490kwを超えないよう出力制御を行う)。ブレード枚数は3枚、ローター直径は80m〜103m(ブレードの回転直径)、ハブ高さは78m〜110m(ブレードの中心の高さ)、高さは118m〜161・5m。
 風力発電機の配置は、新たな土地の改変を極力避けるため、既存の造成地を基本に検討。その上で風況解析、土地管理者との協議等を踏まえ決めた。連系変電施設は既存変電施設を更新して利用する計画。
 風力発電機から連系変電設備までの送電線は、主に既設の管理用道路への地下埋設により敷設する計画。
 対象事業実施区域は約23・9fで、そのうち風力発電機の設置工事に伴う改変面積は風車ヤード約1・48f。改変面積の内訳は管理用道路約0・12f、既設道路拡幅約0・14fの計約1・74f。造成工事等に伴い発生する法面部は、種子吹付け等により可能な限り緑化を行い、法面保護及び修景を図るとともに、濁水や土砂流出防止に努める。
 主な工事は土木工事(造成・基礎工事)、電気工事(変電設備・送電線工事等、試験調整)、風力発電機建設(風力発電機輸送・据付工事)。
 施工手順は、風車ヤードの造成工事及び風力発電機の基礎工事から、変電設備・送電線工事等、風力発電機輸送・据付工事、試運転・調整。
 事業全体の工事期間は、試運転・調整も含めて約2年を想定。着工時期は令和3年7月を予定、試験運転開始時期は令和4年10月、運転開始時期は同年12月を予定する。なお冬季(12月〜3月)は休工とする計画。
 造成工事では、風力発電機建設資材運搬のため、既存の管理用道路の拡幅工事を実施。資材運搬が可能となった建設用地から、樹木伐採を行い、風力発電機設置箇所及び取付道路の土工・法面工事を行う。
 基礎工事は3〜4ヵ所(今後の詳細設計により決定)で、掘削後、場所打ち杭を打設し、型枠・鉄筋組立、コンクリート打設、埋め戻しの順序で施工する。
 据付工事では、基礎設置後、風力発電機(3〜4基)を搬入し、タワー、発電機、ブレードの準備据付を行う。
 電気工事では、対象事業実施区域内の送電線工事として既設の道路敷地に埋設する。連系開閉設備(受変電所敷地約14m×16m)は、敷地を整備後、連系電気機器を据え付ける。
 切土及び盛土等の造成面積は、風車ヤード1号機が切土工1708m3、盛土工1659m3、残土量49m3、2号機が切土工3005m3、盛土工0m3、残土量3005m3、3号機が切土工2554m3、盛土工6971m3、残土量マイナス4417m3、4号機が切土工556m3、盛土工345m3、残土量211m3、管理用道路が切土工212m3、盛土工28m3、残土量184m3、既設道路拡幅が切土工1098m3、盛土工519m3、残土量579m3で、合計は切土工9133m3、盛土工9522m3、残土量マイナス389m3。
 造成工事に伴い樹木を伐採する面積は約0・6f。
 改変部分のうち、風車ヤード、管理用道路、既設道路拡幅に係る改変に伴い発生する法面については、緑化を実施し修景を図る(緑化面積は風車ヤード0・29f、管理用道路0・03f、既設道路拡幅0・05fの合計0・37f)。風車ヤードは、鳥類の好適な生息環境及び採餌環境とならないよう砕石敷とする計画。
 工事期間中は、仮設の工事事務所を設置。汲み取り式の仮設トイレを設置する。
 既存道路において幅員が狭い箇所や急カーブ箇所等の一部区間については、道路の拡幅及び改良工事を実施する。
 風力発電機の輸送経路については、舞鶴港で水切りし、一般国道178号等及び丹後縦貫林道を経由して対象事業実施区域に至るルートを想定。風力発電機等は特殊トレーラー及び誘導車による輸送を風力発電機1基当たり10日程度で行う計画。
 ミキサー車は最大132台を想定。工事期間中に関係車両の往来が最大となるのは、風力発電機の基礎工事におけるコンクリート打設時を想定している。風力発電機1基あたりのコンクリート打設は1日もしくは2日で行い、最大132台/日程度のミキサー車が往来する予定。
 工事中は、場内に側溝や仮設沈砂池を設置し、雨水排水を安全に流下させる。
 建設機械は、可能な限り低騒音型、低振動型の建設機械を用いる計画。建設工事に使用する主な建設機械は、造成工事でバックホウが1・4m3級、0・7m3級、ブルドーザーが30t級、20t級、ダンプトラックが30t積級、10t積級、振動ローラーが10t級、4t級。基礎工事で三点式杭打機が80t級、クローラクレーンが60t吊級、ホイールクレーンが200t吊級、25t吊級。
 アセス準備書に関する業務委託先は東洋設計(石川県金沢市)。