トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2020/08/20

【石川】この人に聞く/ピックアップいしかわ2020/「金沢港一帯に真の賑わいを」/合庁移転、漁港再整備、埋立地利活用の3点/金沢みなと懇話会会長/下沢佳充氏

 「新型コロナウイルスの影響で、当初計画されていたクルーズ船の金沢港寄港が次々とキャンセルとなり、盛り上がりにはいまいち欠けるが、それでもクルーズターミナル一帯はライトアップにより賑わいを見せている。新型コロナが早期に終息し、本当の意味で金沢港が賑わう日を心待ちにしている」と願いを込めるのは、金沢みなと懇話会会長の下沢佳充氏(県議)。
  □   ■
 今夏に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに照準を合わせて県が整備を進めてきた「金沢港クルーズターミナル」を目玉とする同港機能強化事業が7月に無事完了。オリンピック自体は1年後ろ倒しとなったが、「今回の機能強化事業で一服感があるが、次のステップへ移行させたい。いろいろと課題はあるが、大きなポイントは、国の機関が入っている金沢港合同庁舎の移転、漁港(水産ふ頭)の再整備、金石・大野埋立地の利活用―3点だろう」と指摘。
 金沢港合同庁舎には金沢海上保安部、金沢税関支所、新潟検疫所金沢・七尾出張所という国の機関が入所している。「50メートル道路と臨港線が交差する金沢港交差点の一角に立地しており、隣の県金沢港湾事務所はクルーズターミナルへの移転が完了した。もし金沢港合同庁舎が別の場所へ移転してくれれば、いろんな可能性が広がる。財務省をどう説得するかがカギとなる。そのために力を尽くしたい」という。
 漁港の再整備について「日本海側の港湾にとっての課題は冬場の賑わい対策であり、クルーズターミナルと隣り合う漁港内にある金沢港いきいき魚市(県漁業協同組合・金沢港産地販売協同組合の直売施設)との回遊性を高めて加能ガニをはじめとする冬の石川の食をアピールすれば年間を通しての集客が見込めるし、施設のリニューアルも俎上に上ってくるのではないか」とその意義を強調する。
 金石・大野埋立地に関しては「エリア内には暫定的に簡易野球場や簡易グラウンドが整備され、年間約1万人の利用があるが、なんといっても東京ドーム17・5個分にあたる83ヘクタールの広大な土地。交通アクセス面での課題は多いが、利活用策を探りたい」と将来を見据える。
   □   ■
 しもざわ・よしたか 1961年1月12日生まれの59歳。早稲田大学商学部卒。森喜朗元総理大臣の秘書を経て95年4月の県議会議員選挙で初当選。県議会議長など歴任。当選7回。金沢駅西活性化懇話会代表幹事。金沢市金石東2丁目在住。

hokuriku