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北海道建設新聞社
2020/08/24

【北海道】幌村建設がアスパラ栽培 建設現場の経験生かす

 幌村建設(本社・新ひだか)の関連会社、ファームホロ(同)が作るアスパラガスが注目されている。スーパーなどに並ぶものに比べ、際立って太いのが特徴だ。現在はビニールハウス58棟で栽培しており、幌村司社長は「アスパラのハウス栽培としては道内最大級では」と誇る。順調な事業成長の裏には、ほ場整備の経験など建設業で培ったノウハウの活用があった。

 同社が農業に進出したのは2005年7月。社員の雇用確保が目的だった。立ち上げ時は5人のスタッフで花卉(かき)を主軸に栽培。役場職員の助言を機にアスパラガス栽培にも着手した。

 暗渠工事など、ほ場整備の経験があったため「土地造成はお手の物だった」と幌村社長は話す。当初はハウス30棟で栽培していたが、現在は2倍近い規模になり、スタッフも14人に増えた。

 栽培は手作業にこだわる。特徴である太さを保つには、目視で細い茎葉を見極め間引く、ピンチという作業が必要なためだ。

 このほか、収穫などにかかる多額の人件費を賄う目的もあり、高級志向をとった。同社のアスパラは、一般的な市場価格の2倍ほどの値段で東京の料理店などに卸している。太さによる差別化が販路開拓につながった。

 19年9月には、作物の品質を法的に裏付けるJGAP認証を日高管内の青果物で初めて取得。認証には全250項目ほどの条件をクリアする必要があり、木島誠二アスパラリーダーは「多くの項目の根幹にあったのが場内の整理整頓だった」と振り返る。

 そこにも建設現場での経験が生きた。ISO取得時から徹底してきた、工具の置き場を明示し役割ごとにまとめる手法を応用したところ「見てすぐ分かるようになった」という。

 6月には、農業専門誌の表紙を飾るなど、知名度も向上。今後は5棟のハウス新設も控え、より強固な体制での生産を目指す。