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建設経済新聞社
2020/08/31

【京都】測量等業務の発注見通し 第3四半期分から公表 工事の中長期見通しも検討

 京都府は、測量等業務委託の発注見通しについて、9月末公表の第3四半期以降の発注見通しにおいて初めて公表する。また主な建設工事の中長期的な発注見通しの公表について、国の動きに準じて検討する考え。
 28日開催の令和2年度第2回入札制度等検討委員会(委員長・楠茂樹上智大学法科大学院教授)において、公契約大綱見直しについて報告。公契約大綱見直しに盛り込んでいた「施工時期を平準化する取組」の一つとして、測量等業務委託の発注見通し、主な建設工事の中長期的な発注見通しの公表について方針を示した。
 大綱見直しでは、「災害時等における緊急性に応じた入札契約方法を活用する取組」について、運用方法を検討する考えを明らかにした。
 また「総合評価競争入札の活用」について、週休2日やICT活用、女性活躍などを評価できないか検討を進める考え。
 入札制度等検討委では、令和元年度入札実施状況を報告。契約件数1237件の平均落札率は89・9%(平成30年度は89・7%)で、「最低制限価格との差は依然として小さく、最低制限価格付近での競争が継続」「特に土木一式工事、舗装工事では引き続き激しい競争となっている」と考察した。
 不調・不落状況は88件(発生率7・1%)。令和元年4月〜11月は68件(発生率8・0%)、令和元年12月〜令和2年3月は20件(発生率5・1%)と推移しており、「増加傾向を続けているが、年度末にかけてわずかに改善」と分析した。
 くじ引き発生件数は607件(発生率49・1%)。発生率を入札方式別でみると、指名競争は49・0%、一般競争は49・1%、総合評価は16・9%。(予定価格の)事前公表・事後公表でみると、事前公表は53・9%、事後公表は38・4%。工種でみると、土木一式工事は60・9%、舗装工事は71・9%。「くじ発生率は舗装で15・2%低下したが、依然7割以上がくじという高い発生率」(87・1%→71・9%)、「総合評価及び事後公表で増加傾向」(総合評価10・2%→16・9%)(事後公表30・0%→38・4%)と分析した。
 建設工事の入札状況の推移は表参照。
 事後公表でもくじ発生が高い状況について、府は「業者の積算能力の向上が進んできたのも理由の一つ。また昨年度から府は概略発注方式を一部採り入れており、予定価格を推測し、そこから最低制限価格も推測しているのではないかと考えられ、それも一つの要因として考えられる」と分析。
 また「総合評価にも一部課題がある。企業評価は表彰を受けた業者、工事成績や配置予定技術者の評価などで、評価の高い技術者を抱えている企業などに落札が固定化している。課題を認識しており、総合評価の見直しについても検討し、委員会に方向性を示したい」とした。
 令和元年度において、例外的に府外企業に入札参加を認めた工事は127件(内訳は、鋼橋やPC橋等の橋梁上部工や消化ガスタンク等の専門工事5件、技術的難易度が高いトンネル工事0件、法面処理等工事のうち特殊機械や専門技術を要するもの13件、特殊機器(設計やシステム開発を伴うもの)の工場製作を含む設備工事及びその点検・修繕工事88件、重要文化財建造物の保存修理工事のうち高度で特殊な技術を要するもの20件、府内に施工できる企業がないか極めて少ない「個別」の工事0件、WTO対象工事1件)。
 従来の府内向け発注は1110件で、合計1237件。府内発注率は89・7%(平成30年度は88・0%)。